2020年03月21日 20:07 公開

世界保健機関(WHO)のテドロス・アダノム・ゲブレイエスス事務局長は20日、若者は新型コロナウイルスの免疫がなく「無敵ではない」と延べ、新型ウイルスの影響を受けやすい高齢者にうつさないよう、人との接触を避けなければならないと警告した。

テドロス事務局長はこの日、スイス・ジュネーヴのWHO本部からオンラインで記者会見し、新型ウイルスをめぐっては「高齢者が最も打撃を受けているものの、若者が感染しないわけではない」と述べた。

「若者のみなさんへ伝えたいことがある。あなたたちは無敵ではない。新型ウイルスに感染すれば、数週間も入院することになったり、死ぬ可能性さえある。病気にかかっていないとしても、皆さんがどこへ行くかによって、他人の生死を左右するかもしれない」

新型ウイルスは高齢者が重症化しやすいため、多くの国で若者が感染拡大防止の警告を楽観視しているとの報告が上がっていた。

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新型ウイルスが発生した中国・湖北省武漢市内で19日、新しい感染者の報告がなかった。

テドロス事務局長は武漢での状況の変化を歓迎し、「極めて厳しい状況でさえ、覆すことができると、世界に希望を与える」と述べた。

高齢者や基礎疾患のある人が特に危険

あらゆる年齢の人が新型ウイルスに感染する可能性があると、複数の研究が示している。高齢者や基礎疾患のある人は特に、重症化の危険がある。COVID-19によってイタリアで死亡した人の平均年齢は78.5歳だった。

米紙ニューヨーク・タイムズによると、中国国内では50歳以下の感染者の死亡率は1%未満。一方で、80歳以上の場合は15%近いという。

「物理的距離」の確保を推奨

ロイター通信によると、WHOは現在、感染を防ぐために「社会的距離」ではなく「物理的距離」を保つよう推奨している。

この報道によると、WHOの疫学者マリア・ファン・ケルクホーフェ氏が、「他人との結びつきは維持してもらいたい。(中略)人とやりとりする方法を見つけてほしい。インターネットやほかのソーシャルメディアを介して、人とのつながりを維持する方法を見つけてほしい。パンデミック発生時には、メンタルヘルスも身体的健康と同じくらい重要なので」と述べたという。

パンデミックの震央・欧州の現状は

新型ウイルスのアウトブレイク(大流行)は昨年12月、中国で初めて確認された。しかし、いまや欧州がこのパンデミック(世界的流行)の震央となっている。

イタリアでは世界で最も多くの死者が出ている。死者数は20日に627人増えて4032人に上った。1日で確認された死者数としては、アウトブレイクが始まって以降で最多。

新型ウイルスによる感染症「COVID-19」で死亡した人の数は、世界中で1万1000人以上に上り、25万人近くが陽性と診断されている。

各国の措置は

多数の国や地域では20日、新たな措置が講じられた。

イギリスのボリス・ジョンソン首相は、カフェやパブ、レストランを20日夜から閉鎖するよう指示した。持ち帰りのテイクアウトは除外される。またナイトクラブ、劇場、映画館、ジムなどは「できるだけ早く」閉鎖するよう指示した。

アメリカは、メキシコとカナダとの各国境を閉鎖し、ほとんどの通行を停止する方針。ニューヨーク州は、銀行や薬局、食料品店など市民にとって必要不可欠な業種以外の全事業について、休業や従業員の自宅待機を命令した。

スペイン政府は、正当な理由なしに外出した場合、巡回中の軍によって拘束される可能性があると警告した

ドイツで人口第2位の州、バイエルン州が封鎖された。同国で州が封鎖されるのは初めて。

フランスの警察は、週末に旅行しようとしている人を阻止するため、パリの鉄道での巡回を強化したと述べた。

インドネシアの首都ジャカルタは非常事態を宣言。23日からバーや映画館などが閉鎖される


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(英語記事 WHO: Young people are not ‘invincible’