2020年03月27日 11:35 公開

アメリカの新型コロナウイルスの感染者数が26日、8万3500人を超え、世界最多となった。

米ジョンズ・ホプキンス大学の最新の集計によると、アメリカの新型ウイルスの感染者数は中国(8万1782人)とイタリア(8万589人)を上回った。

ただ、新型ウイルスの感染症COVID-19によるアメリカの死者数は1200人で、中国(3291人)やイタリア(8215人)より少ない。

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アメリカにとって暗い節目となるなか、ドナルド・トランプ大統領は26日午後、同国が「かなり素早く」元に戻るとの予測を示した。

ホワイトハウスの記者会見に臨んだトランプ氏は、最新の統計について、「実施中の検査の数量を反映したものだ」と述べた。

マイク・ペンス副大統領は、新型ウイルスの検査は現在、全50州で受けることができ、これまでに計55万2000件が実施されたと話した。

トランプ氏は、「中国での実数はわからない」と述べ、中国政府が発表するデータを疑問視した。

また、中国の習近平国家主席と同日夜(米時間)に電話会談をすると説明。新型ウイルスを「中国ウイルス」と呼んでいることについて、習氏から言葉遣いを「慎重にするよう」求められたことはないと述べた。

4月12日解除を目指す

トランプ氏は、イースター(感謝祭)の日曜日となる4月12日にアメリカの封鎖状態を解除するとの計画を掲げている。これに対しては批判が噴出しているが、26日には新型ウイルスの影響で同国の330万人が仕事を失ったとの集計が発表され、計画実行への期待が高まった感もある。

トランプ氏は記者会見で、「(アメリカ人は)仕事に戻らないといけない。国も戻らないとならない。この国はそうしたことで成り立っており、かなり素早くそうなると思う」と発言。 

「この国の一部、影響が深刻ではない多くの部分で、それを実行するだろう」とした。

さらに、「元に戻るという私の発言を多くの人が誤解している。社会的距離戦略はできるだけ実施してもらうし、手洗いをして握手はしないことなど、これまで言ってきたことすべてもやってもらう」と付け加えた。

トランプ氏は来週、より詳細な発表をすると約束した。

新たなガイドラインを計画

トランプ氏はこの日、各州の知事あてに文書を送り、社会的距離戦略のガイドラインを発表する計画だと伝えた。一部地域での規制緩和を勧める内容となる可能性もある。

文書でトランプ氏は、「今後も長い戦い」が続くとし、積極的な検査によって新型ウイルスへの安全対策を解除できる地域もあるかもしれないと説明。

「新たなガイドライン」では、地域を低・中・高リスクに分け、地方政府が「社会的距離戦略を維持、強化、緩和したり、他の緩和策を取ったり」できるようにすると述べた。

この計画は、アメリカのCOVID-19による死者が今後4カ月で8万人を突破すると予測する研究が発表される中で明らかにされた。

米ワシントン大学医学部の保健指標・評価研究所の研究は、同国における感染流行のピークを4月のある時点と設定。その期間は、社会的距離戦略を厳密に実施しても、毎日2300人もの患者が死亡する恐れがあるとしている。

大統領に命令権はある?

トランプ氏は国民を仕事に戻るよう命じることはできない。トランプ氏は今月、15日間の期間を設定し、COVID-19の拡大のスピードを落とすために全国民に社会的な交流を大幅に減らすよう求めた。

しかし、そうしたガイドラインは自発的な行動を求めるもので、国による命令ではない。

アメリカの憲法は、治安や安全を維持する権限をもつのは各州だと明確にしている。国内各地の制限の解除を決めるのは州知事だと、学者たちは指摘している。

現在、21の州が自宅から出ないよう指示を出している。

アメリカのその他の動向

  • 新型ウイルス対策としてカナダとの国境に米軍を派遣すると提案し、カナダが反発している。カナダの副首相は、「まったく必要のない取り組みで、両国関係を悪化させる」と述べた
  • ペンシルヴェニア州のスーパーは、女性がいたずらをしようと店内でわざとせきをしたため、総額3万5000ドル(約380万円)以上の食品を廃棄したと明らかにした。地元検察は、この女性の感染が確認された場合は起訴も検討するとしている

予防について

感染拡大の防ぎ方について

(英語記事 US overtakes China with most coronavirus cases