2020年03月31日 13:57 公開

シンガポールで30日、同性愛行為を犯罪とする法律を撤回すべきという訴えを、裁判所が棄却した。同国のLGBT(性的少数者)運動に大きな打撃となった。

この裁判は同性愛者の男性3人が起こした。植民地時代に制定されたこの法律は違憲だとし、下級審の合憲判断を覆そうと上訴したが、高等裁判所はこの日、この訴えを棄却した。

裁判長は、この法律はシンガポールの「国民感情や信仰を表しており、重要なもの」と述べた。

シンガポールの刑法377A条は、男性の同性愛行為について、公共かプライベートの場かに関わらず最長2年の禁錮刑に処すことができるとしている。

判決後、原告の弁護人M・ラヴィ氏は、「非常に落胆している」と語った。

「非常に恣意(しい)的な判断で、道義の上でもショッキングなものだ」

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刑法377A条をめぐっては、2014年に同性愛カップルが控訴院に同様の訴えを起こしたが、こちらも棄却されている。

しかし、2018年にインドの最高裁判所が同性同士の性行為を合法化したことで、シンガポールでもLGBT権利運動が盛り返していた。

刑法377A条は1938年、イギリスの植民地時代に導入された。シンガポール当局がこの法律を適用することはほとんどない。

しかし現職のリー・シェンロン首相を含む歴代の指導者は、この法律はシンガポールの保守的な規範を反映したものだとして、撤廃を拒否してきた。

30日の判決もこの流れをくんだものだ。合意の下、プライベートの場で行われる同性愛行為に対して法が執行されなくても、この法律が不要だということにはならないと指摘した。

その上で、平等や言論の自由に関する条項に違反していないことから、違憲ではないと結論付けた。

原告のうちの1人はロイター通信の取材で、判決には失望したものの、「私の目はこの道の向こうを見すえている」と話した。

現在、世界では70カ国が同性愛関係を犯罪としている。

(英語記事 Singapore court upholds gay sex ban