
2020年04月06日 12:23 公開
新型コロナウイルス対策で周りの人と一定の距離を保つことの大切さを子どもたちに知ってもらおうと、人気絵本シリーズの愛すべき怪物たちが「社会的距離」をとる絵を作者たちが発表した。
「もりでいちばんつよいのは」など児童文学の「怪物グラファロ」シリーズのジュリア・ドナルドソンさんと挿絵画家のアクセル・シェフラーさんは、なぜ接触を避ける必要があるのか子どもたちに、重たくならずに知ってもらおうと、連作を発表した。
怪物グラファロ、こえだのとうさん(スティックマン)、スメッドやスムーといったおなじみのキャラクターたちが、お互いから安全な距離をとって行動する様子が描かれている。
さらに、高齢者などの買い物を手伝う姿も描かれる。
「もりでいちばんつよいのは(原題:The Gruffalo)」は1999年に出版された。森を散歩する賢いネズミが、「おそろしいきば」と「おそろしいつめ」と「おそろしいは」の怪物に会いに行き、知恵比べで勝つ物語。
販売は1300万部に達し、舞台劇やアカデミー賞候補に選ばれたアニメ映画にもなった。
作者のドナルドソンさんは3日、BBCの朝の情報番組「ブレックファスト」で、「アクセルのアイデアでした」と話した。「自分たちの本をもとに、くすっと面白い絵をいくつか描いて、そこにコロナウイルスについてちょっとしたアドバイスを入れようということになりました」。
挿絵画家のシェフラーさんは、感染拡大で世界中が大変な思いをしている中で、「イラストレーターとして自分に何ができるか」考えていたことから、今回の連作を思いついたという。
「今ではコロナウイルスについてデジタルで無料のノンフィクション本を作っています。本はきちんとした情報提供が目的で、今回のイラストよりもおそらく大事な内容です。来週には発表される」
「けれどもまず、もっと簡単で明るくて楽しいものもやりたかったので、自分たちの絵本のキャラクターがコロナウイルスに対応するとしたらどうだろうと考え始めました」
「今回のイラストは本格的な啓発というより、楽しんでもらうためのものです」
感染対策に他人と一定の距離を保つ「社会的距離」の重要性のほか、絵本のキャラクターたちは運動することや、家族にビデオ電話をかけることも大事だと強調している。
ドナルドソンさんは、自分たちのイラストによって、「お説教くさく」ならずに子どもたちに適切な行動を教え、自宅学習の助けになって欲しいと期待している。
3月23日からのロックダウン(行動制限)がイギリス全土で続くなか、ドナルドソンさんはフェイスブックの公式ページで詩や物語を朗読したり、歌を歌ったりしている。
(英語記事 The Gruffalo author Julia Donaldson shows her characters social distancing)