
2020年04月07日 10:54 公開
フランスは6日、新型コロナウイルスにより833人が前日に死亡したと発表した。同国の1日あたりの死者数としては最大となった。
新型ウイルスの感染症COVID-19によるフランスの死者は8911人、感染者は9万8010人に上った。
オリヴィエ・ヴェラン保健相は、「感染拡大の終わりの終わりには至っていない」と警告を発した。
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一方、イタリアではここ数日、1日あたりの死者数が減少傾向にあったが、6日に再び増加に転じた。スペインは4日連続で減少した。
イギリスでは同日、新型ウイルスに感染していたボリス・ジョンソン首相の症状が悪化し、ロンドン市内の病院の集中治療室に移された。
ドイツのアンゲラ・メルケル首相は6日、新型ウイルスのパンデミック(世界的流行)を欧州連合(EU)にとって過去最大の難局と表現。
「ドイツがうまくいくのは、欧州がうまくいくときだけだ」と述べ、同国はEUを経済的に支えていく覚悟だと述べた。
BBCのデイミアン・マクギネス記者(ベルリン)は、ドイツは10年前の金融危機の際、欧州北部の国々とともに、経済的に比較的弱い南部の国々との協調を嫌った過去があると説明。メルケル氏の発言の意図をめぐって議論が起きていると伝えた。
フランスの状況
フランス保健省の6日夕の発表によると、COVID-19により過去24時間に同国の病院で605人が亡くなり、高齢者施設で228人が死亡した。ともに前日より約10%増えた。
ヴェラン保健相は、「まだ終わりではない。終わりからはほど遠い。道のりは長い。発表した数字がそれを示している」とし、「家から出ず、封じ込めの努力を続けよう」と呼びかけた。
フランスにとって明るいニュースもある。集中治療室に入っている患者は7072人で、増加率が1.3%にとどまったのだ。
ヴェラン氏は、死者の27%が出ている高齢者施設を点検する「大がかりな取り組み」を、政府が開始すると表明した。
一方、マルレーネ・シアッパ平等担当相は、ロックダウン(都市封鎖)で家庭への負担が高まっていることを受け、家庭内暴力(DV)をめぐる支援を目的としたホットラインを開設したと述べた。
欧州の他地域では
新型ウイルスによる欧州の死者は5万人を超えている。
最大はイタリアで、世界最多の1万6523人に上っている。
同国政府は6日、新たに636人が死亡したと発表。3月19日以降で最少だった前日5日より111人増えたが、4日と比べると45人減った。
感染者は新たに1941人が確認されたが、減少傾向が続いている。
イタリアに次いで世界で2番目に影響が大きいスペインでは、日ごとの死者数が減り続けており、流行のピークを超えたとの期待が高まっている。
6日の死者は637人で、過去13日間で最少だった。これまでの死者は1万3055人となっている。
スペイン保健省で緊急対応を担当するマリア・ホセ・シエラ氏は、国内の「ほぼ全地域で」感染拡大は落ち着いているようだと述べた。
イギリス保健省は6日、新型ウイルスにより国内の病院で439人が亡くなり、死者は5373人となったと述べた。
1日あたりの死者数は2日連続で減少した。ただ、政府の科学顧問を務めるデイム・アンジェラ・マクレーンは、社会的距離戦略によって流行が収まりつつあると判断するには、時期尚早だと述べた。
デンマークのメテ・フレデリクセン首相は、国内の学校を今月15日から再開する計画を発表した。同国はロックダウンの緩和を検討している。
フレデリクセン氏は記者団に、規制の緩和は現在の制限が遵守され、感染者数が安定していることが条件だと説明。
「綱渡りのような側面がある。止まっていると落下の恐れがあるし、先を急ぎ過ぎると間違ってしまう。1歩ずつ慎重に進むしかない」と述べた。
オーストリアのセバスティアン・クルツ首相も、イースター(復活祭)後に生活必需品以外を扱う一部の商店の営業再開を認めるなどの制限緩和を検討していると述べた。
感染対策
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