2020年04月07日 11:10 公開

イギリスのドミニク・ラーブ外相は6日、外出制限などの新型コロナウイルスの感染拡大防止措置について、「機能し始めた」ばかりで、出口戦略を検討するには時期尚早だと述べた。

ラーブ首相は現在の新型ウイルス対策について、焦点を移すと「必要としている速さで、感染のピークを切り抜けられなくなる」かもしれないと述べた。

また、新型コロナウイルスの症状が悪化し、集中治療室(ICU)に入ったことが6日に明らかになったボリス・ジョンソン首相が、入院先の病院から引き続き政府を率いているとした。

英保健省によると、イギリスでは6日までに5万1608人が新型ウイルスに感染。この日は439人が亡くなり、全体の死者は5373人となっている。

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新型ウイルスに関する政府の定例会見に臨んだイングランド主任医務官(CMO)のクリス・ウィッティー教授は、現在導入されている「社会的距離」措置の解除時期について問われると、このエピデミック(感染流行)のピークがいつやってくるのか、はっきりさせることが先だと述べた。

「我々が、感染のピークに到達したと、そしてもうピークを超えたと確信できる状態に達することが重要だ」

「その時がきたら、新型ウイルスの対処で次の段階に一歩一歩進むため、我々がやらなければならないあらゆることについて、真剣な議論ができるようになると思う」

ウィッティー教授はまた、確信が持てる前に「そうした議論を行う」のは誤りだろうと付け加えた。

ウィッティー氏はこの日、新型ウイルスの症状が現れて自主隔離を行ってから初めて、定例会見に姿を見せた。

政府の科学顧問のデイム・アンジェラ・マクレーンは、現在の措置がもたらす効果を「判断するには時期尚早」だとした。

マクレーン氏は、「みなさんには、これらの新型ウイルスへの対抗措置を継続して守ってもらう必要がある。そうすれば我々は、3週間後に、病院がどんな状況になっているかを調べることができる」と述べた。

「次の段階がどのようなものになるのか、妥当な判断を下す前に、我々は現在の制限がどれほど効果的に機能しているかを確認する必要がある」

ジョンソン首相の症状悪化

英首相官邸は6日夜、新型コロナウイルスに感染しているジョンソン首相の症状が「悪化」し、集中治療室(ICU)に入ったと発表した。ジョンソン首相は10日前に新型ウイルスによる感染症COVID-19を発症。高熱などの「症状が続いて」いたことから、5日からロンドン市内の病院に検査入院していた。

ジョンソン首相は6日昼、「新型ウイルスの症状が続いているため、医師のアドバイスのもと、定期検査のために昨晩入院した。気分は良いし、このウイルスと闘い、皆さんが安全でいられるよう、引き続きチームと連絡を取り合っている」とツイートしたばかりだった。

https://twitter.com/BorisJohnson/status/1247137221167153153?s=20


ラーブ外相は6日午前、ジョンソン首相に代わって定例会議の議長を務めた。

その後の記者会見でラーブ氏は、ジョンソン氏は病院から政権を主導していたと強調。それは適当かとの問いには、ジョンソン氏は「医師のアドバイスを受けている」と答えた。

一方でラーブ氏は、首相とは4日以降、話をしていないと述べた。

回復中の勤務は

ウィッティー教授は、新型ウイルス感染症からの回復に努めている間、仕事をすべきかどうかを問われると、自分が担当している患者の中には、病床から「非常に複雑な仕事を完璧にこなせる」人もいると述べた。

ジョンソン首相の報道官は先に、首相の病状が悪化して職務を遂行できない場合は、ラーブ外相が代行すると話していた。

英国内外からは、回復を願う声が上がっている。その中には、「すばらしい友人」のジョンソン氏にお見舞いの言葉を送ったアメリカのドナルド・トランプ大統領も含まれる。

イギリスの最大野党・労働党のキア・スターマー党首は、「とても悲しいニュースだ」、「この困難な時に、全国民が首相とその家族のことを思っている」と話した。

こうした中、ボブ・カースレイク元国家公務員担当相はBBCに対し、ジョンソン首相は、「自分の職務を果たせるほど十分な健康状態でないのであれば、「身を引く」のが「賢明」かもしれないと述べた。

一般診療医でテレビキャスターのサラ・ジャーヴィス医師は、ジョンソン首相に特に呼吸困難の症状があったのであれば、おそらく胸部のレントゲン検査と肺のCT検査を受けたのだろうと述べた。

ジャーヴィス医師はまた、ジョンソン首相は退院前に、心臓の機能を確認するための心電図や、酸素濃度や白血球の検査、肝臓と腎臓の機能の検査を受けることになるだろうとした。

ジョンソン首相は先月27日に新型ウイルス検査で陽性だったと公表して以降、首相官邸で自主隔離しながら公務にあたっていた。

首相のパートナーで妊娠中のキャリー・シモンズさんも4日、新型ウイルスによる感染症(COVDI-19)の症状で1週間寝込んでいたとツイートしている。ただ、シモンズさんは検査は受けていないという。

このほか、マット・ハンコック保健相もCOVID-19を発症して自主隔離を行っていたが、4日に職務に復帰した。


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