2020年04月10日 10:19 公開

入院中のボリス・ジョンソン英首相は9日、集中治療室(ICU)から出て一般病棟に移った。英官邸が発表した。首相は新型コロナウイルスに感染し、5日からICUに入っていた。

官邸の報道官はジョンソン氏について、「集中治療室から今夕、一般病棟に移された。回復初期は注意深く観察される」とした。

また、「気力に満ちている」と付け加えた。

ジョンソン氏は「いい夜」を経て「回復し続けて」おり、国民保険サービス(NHS)から受けた「見事な手当て」に感謝したという。

<関連記事>

ジョンソン氏は新型ウイルス検査で陽性と判定され、その10日後の5日にロンドンのセント・トマス病院に入院。翌日、ICUに移された。

報道官によると、ジョンソン氏はICUで「通常の酸素の治療」を受けていた。人工呼吸器は使用していなかったという。

全国で拍手鳴り響く

ドナルド・トランプ米大統領は9日、「素晴らしい知らせだ。ボリス・ジョンソン首相が集中治療室から出た。ボリス、回復を!!!」とツイートした。

https://twitter.com/realDonaldTrump/status/1248319601647247361


マット・ハンコック英保健相は、「首相が集中治療室を出て回復に向かっているのはとてもいいことだ。NHSはいつも私たちに尽くしてくれるし、素晴らしいNHS職員が持ち味の世界最高レベルの手当てを彼にした」と述べた。

最大野党・労働党の新党首に選出されたばかりのサー・キア・スターマーも、「よい知らせだ」、「素早い回復の始まりだと望んでいる」とツイートした。

この日、イギリスでは、医療従事者を拍手で称える行動(Clap for Carers)が全国で展開され、大きな拍手が鳴り響いた。新型ウイルスの世界的流行(パンデミック)の最前線で働き続ける人々への感謝を示すものだ。

イギリスでは8日、新型ウイルスにより881人が病院で亡くなり、病院内での死者は7987人となった。

「効果を無駄にしないように」

BBCのジェシカ・パーカー政治担当編集委員によると、ドミニク・ラーブ外相が首相代行を続ける見通しだ。

ラーブ氏は9日の定例会見で、暖かくなると予想されているイースター(復活祭)の今週末に外出しないよう、国民に強く呼びかけた。

同氏は3週間近くにわたる都市封鎖(ロックダウン)を経て、「みんなの犠牲で生まれた効果が見えつつある」とし、「それを無駄にしないようにしよう」と呼びかけた。

また、ロックダウンを緩めるかの判断は、「来週の終わり」まではしないと述べた。

ラーブ氏はさらに、ジョンソン氏とは入院以来、会話をしていないと述べた。

「回復に集中してもらうことが重要だと思う。政府は穴を埋めている」と同氏は説明。「必要なすべての権限」を持っており、他の閣僚とともに決定に当たると付け加えた。

一方、ロックダウンの遵守が繰り返し呼びかけられる中で、両親を訪ねるため約65キロ移動したと英紙ガーディアンに報じられたロバート・ジェンリック住宅相は、「薬などの必需品を届けるよう両親に頼まれた」などとツイッターで弁明した。

その他の動向

  • 欧州連合(EU)加盟国の財務相らは、新型ウイルスのパンデミックの影響が大きい加盟国を支援するため、5000億ユーロ(約59兆円)規模の救済策に合意した
  • イギリスで101歳の男性が新型ウイルスに感染したが回復し、ウスターシャー州レディッチのアレクサンドラ病院を退院した
  • 新型ウイルスに関する陰謀論者デイヴィッド・アイクのインタビューを放送したロンドンのテレビ局に対し、通信・放送関連規制当局オフコム(情報通信庁)が調査を開始した
  • イングランドの救急病棟への入院は先月、前月比23%減った。一方、24時間の医療電話相談への通話は2倍に増えた

新型コロナウイルス特集

感染対策

在宅勤務・隔離生活

(英語記事 PM out of intensive care but remains in hospital