2020年04月10日 12:01 公開

国際通貨基金(IMF)のクリスタリナ・ゲオルギエヴァ専務理事は9日、新型コロナウイルスのパンデミック(世界的流行)により、2020年の世界経済の成長率が「急激なマイナス」となり、1930年代の世界恐慌以降で最悪の経済危機に直面するとの見通しを示した。

ゲオルギエヴァ専務理事は、2021年の見通しについては、部分的にしか回復しないだろうと述べた。

新型ウイルスの感染拡大を防止するための各国政府によるロックダウン(都市封鎖)により、多くの企業が閉鎖を余儀なくされ、労働者が解雇される事態となっている。

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「170カ国以上に影響」

ゲオルギエヴァ専務理事は9日、来週のIMF・世界銀行春季会合に向けた演説の中で、世界経済について厳しい評価を明かした。

ゲオルギエヴァ氏は、新興国市場や途上国が最も大きな打撃を受ける見通しで、数千億ドル規模の対外援助が必要になると述べた。

「わずか3カ月前は、加盟国の160カ国以上で、2020年中の1人あたりの所得がプラスになると予測していた。今ではその予測は完全に覆された。今年は170以上の国で、1人あたりの所得がマイナスになる見通しだ」

さらに、「実際、我々は、世界恐慌以降で最悪の経済の低迷に見舞われると予測している」と付け加えた。

ゲオルギエヴァ氏は、2020年後半にパンデミックが終息すれば、翌2021年に経済は一部回復する見通しだが、状況が悪化する可能性もあると警告した。

「見通しはとてつもなく不確実だということを強調しておく。パンデミックがどれくらい続くのかなど、多くの様々な要因次第で、状況が悪化する恐れがある」

失業申請急増、世界の半数が貧困の恐れも

ゲオルギエヴァ氏の発言に先立ち、米労働省は9日、4月29日から今月4日までの1週間の、米国内での失業保険の申請件数が660万件以上だったと発表。同国内の失業保険の申請件数は、先月中旬からの3週間で合わせて1600万件を超えた。

アメリカでは現在、感染の拡大を防ぐため、ほとんどの企業が閉鎖を余儀なくされている。国民の約95%は何らかのかたちの封鎖状態に置かれている。

経済を立て直すため、米連邦準備制度理事会(FRB)は9日、2兆3000億ドル(約250兆円)の緊急資金供給策を行うと明らかにした。

また、イギリスを拠点に貧困問題に取り組む国際団体オックスファムは、新型コロナウイルスの経済への影響により、世界で新たに5億人近くが貧困状態に陥る恐れがあると警告。パンデミックが終息するころには、世界の人口78億人の半数以上が貧困状態で暮らしている恐れがあるとしている。

欧州連合(EU)加盟国の財務相らは9日、新型ウイルスのパンデミックの影響が大きい加盟国を支援するため、5000億ユーロ(約59兆円)規模の救済策に合意した。

国連の国際労働機関(ILO)が今週初めに発表した調査によると、世界中の33億人の労働者の81%が、新型ウイルスのアウトブレイクによる職場の全面的または一部閉鎖に直面している。2020年の第2四半期中に、世界中の労働時間の6.7%が消滅するとみられる。これは、1億9500万人のフルタイム労働者が職を失うことに相当するという。

先月23日には、経済協力開発機構(OECD)が、新型ウイルスによる打撃から世界経済が回復するには、数年はかかる見込みだと警告。OECDのアンヘル・グリア事務総長は、世界が2001年9月11日の同時多発テロや2008年の金融危機の時よりも大きなショックに見舞われているとした。


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(英語記事 'Worst economic crisis since 1930s depression'