2020年04月11日 13:46 公開

新型コロナウイルスによる死者が日本時間11日朝までに、10万人を超えた。世界保健機関(WHO)は10日、感染対策のための行動制限を各国が時期尚早に緩和してしまえば、感染被害はさらに悪化すると警告した。

米ジョンズ・ホプキンス大学の集計によると、日本時間11日午前11時現在で世界全体の死者は10万2000人を超えた。確認された感染者は170万人近く。そのうち37万人以上が回復したと報告されている。

WHOのテドロス・アダノム・ゲブレイエスス事務局長は、ジュネーヴでオンライン記者会見をし、欧州の一部で感染拡大のペースが少し落ちているのは「歓迎できる」としつつ、行動制限の緩和を急ぎすぎないよう呼びかけた。

テドロス事務局長は、「規制の緩和が早すぎると、ウイルス感染が致命的に復活してしまう」と警告。「きちんと手はずを整えなければ、降りるのは登るのと同じくらい危険なものになり得る」と述べた。

WHOは各国政府と協力して、規制緩和の戦略策定に取り組んでいるという。

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世界でも特に被害の大きいスペイン、イタリア、米ニューヨークではそれぞれ、感染者と死者が急増するペースが鈍化しつつあるという。スペインとイタリアでは今も全国的なロックダウン(都市封鎖)が続くが、一部の行動制限が緩和されつつある。

スペインとイタリアの急増が鈍化

スペイン政府は、建設業と製造業の一部に対し、社会生活維持に絶対不可欠でない場合でも、13日から現場復帰を認める方針という。ただし、イエス・キリストの復活を祝う復活祭の今週末にかけて、引き続き他人との距離を十分にとる「社会的距離」の行動を続けるよう、政府は市民に呼びかけた。

スペインでは10日の日別死者が605人で、過去17日間で最少になった。スペインではこれまでに1万5840人以上が新型コロナウイルスによって死亡している。

イタリアではジュゼッペ・コンテ首相が、全土のロックダウンを5月3日まで延長。これまでの成果を無駄にしてはならないと警告した。

ただし、3月12日から休業の続いた一部の事業が14日からの再開を認められた。

コンテ首相は特に、書店や子供服の販売店などを特定した。さらに国内報道によると、コインランドリーなど他の店舗も再開が認められる見通しという。

これまでイタリアではロックダウン開始以降、営業が認められていたのは食料品店と薬局のみだった。

イタリアの10日の死者は570人で、前日の610人から減少した。新しく確認された感染者の数も、前日の4204人から3951人に減った。

一方で、フランスでは10日に死者が1000人近く増え、累計1万3000人を超えた。ただし、集中治療室の入院患者は2日連続してわずかながら減少したという。

アメリカ政府は10日、感染者と死者の急増の伸び方が鈍化しつつあるかもしれないと明らかにした。ホワイトハウスの対策調整官デボラ・バークス医師はその上で、前向きな兆候が見て取れるものの、国内での感染拡大はまだピークに達していないと慎重な姿勢を示した。

ジョンズ・ホプキンス大学の集計によると、日本時間11日午前9時までの24時間で2108人が死亡した。死者の累計は1万8700人以上。確認された感染者は50万人を超えた。

イギリス政府によると、9日午後5時(日本時間10日午前1時)の時点で、8958人が新型ウイルスによって死亡した。前日から980人増となった。

イギリスでは医療従事者が使う個人防護具(PPE)の不足が深刻化しており、英政府は10日、可能な場合はPPEの交換を患者ごとではなく1治療セッションごとに減らすなど、新型コロナウイルス治療に限り、使い方の指針を更新した。

最大野党・労働党のキア・スターマー新党首は政府に、ロックダウン緩和の時期は無理にしても、どのような形になるのか国民に示すよう促した。

医療スタッフを守るPPE不足の深刻さをフェイスブックで英政府に訴え、その5日後の3月23日に入院した泌尿器科医のアブドル・マブド・チャウドリ医師(53)が8日、ロンドン東部の病院で亡くなっている。

英医師会は10日、ロンドンや北部ヨークシャーではPPEが「危険なほど足りない」と危機感を示した。これに対してマット・ハンコック保健相は同日の定例会見で、必要な数は確保できているし、増産態勢も導入していると述べた。

他の国では――。

  • アイルランドのリオ・ヴァラッカー首相が、ロックダウンを5月5日まで延長
  • トルコはイスタンブールや首都アンカラを含む31都市で、10日深夜0時から48時間の外出禁止令を開始すると発表。開始2時間前の発表だったため、各地でパニック買いが起きた
  • ポルトガルのマルセロ・レベロ・デ・ソウサ大統領は、緊急事態宣言を5月1日まで延長すると発表した
  • 南アフリカのシリル・ラマポーザ大統領は9日夜、ロックダウンを2週間延長すると発表。これについて最大野党は、経済的な大惨事になると反発している。

アフリカ農村部で集団感染

WHOのテドロス事務局長は、アフリカでの感染拡大に懸念を示し、新型ウイルスが農村部で広まりつつあると話した。

アフリカ大陸ですでに「16カ国以上で集団感染が発生し、地域的な拡大も起きている」と事務局長は強調した。

「都市部に比べてふだんから医療機関の負担が大きい農村部では、きわめて厳しい状況になると予測している」

(英語記事 Coronavirus: 'Deadly resurgence' if curbs lifted too early, WHO warns/NHS doctor who pleaded for virus protection dies/Doctors' lives 'at risk over PPE shortages'