2020年04月11日 15:37 公開

新型コロナウイルスによる感染症「COVID-19」で1日に死亡した人数が、世界で初めてアメリカにおいて、2000人を超えた。

米ジョンズ・ホプキンス大学の集計によると、日本時間11日午前9時までの24時間で2108人が死亡した。死者の累計は1万8700人以上。確認された感染者は50万人を超えた。死者の約半数は東部ニューヨーク周辺に集中している。

アメリカは近く死者累計で、イタリア(死者1万8800人超)を超えて世界最多になるおそれがある。

一方で、ホワイトハウスの新型コロナウイルス対策チームは10日の定例会見で、感染拡大の伸びは鈍化し始めているという見方を示した。

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ホワイトハウスの対策調整官デボラ・バークス医師は、アウトブレイク(感染大流行)が安定しつつあるという兆候を歓迎しながら、国内での感染拡大はまだピークに達していないと慎重な姿勢を示した。

ドナルド・トランプ米大統領は、政府として当初は国内で10万人が死亡すると予測していたものの、実際はそれを下回るだろうと述べた。

専門家はこれまでに、アメリカの死者数は10日をピークに、徐々に減り始め、5月1日までに1日約970人までに減ると予測。トランプ政権の中では、この5月1日に国内の行動制限を解除し経済活動を再開しようという意見がある。

米ジョンズ・ホプキンス大学の集計によると、日本時間11日午前11時現在で世界全体の死者は10万2000人を超えた。確認された感染者は170万人近く。そのうち37万人以上が回復したと報告されている。

近く伸びが鈍化する見通しの根拠は

米政府の対策を取りまとめるアンソニー・ファウチ国立アレルギー感染症研究所(NIAID)所長は同じ定例会見で、バークス医師に同意し、新しい感染者や死者の増加人数が「一定になり、さらには減り始める」傾向が見られるようになったと述べた。

ただし、「これは重大な進歩」だが、家の外では他人と一定の距離を保つ「社会的距離」などの感染対策は継続すべきだと強調した。

バークス医師は、ニューヨーク、ニュージャージー、シカゴなど、特に被害の甚大な地区で増加傾向が安定しつつあるようだと説明。アメリカの死亡率は「人口規模でそろえれば、他の多くの国に比べてかなり低い」とも述べた。

ただし、アウトブレイクのピークを迎えたわけではなく、「昨日の取り組み、先週の取り組み、先々週の取り組みを、今後も続ける必要がある」と医師は念を押し、「そうすることで最終的にピークを乗り越えて向こう側にたどりつく」と述べた。

ニューヨーク州のアンドリュー・クオモ州知事も10日の定例会見で、州は「感染曲線を平らにする」ことに成功しつつある様子が最新データからうかがえると話した。

「厳しいことだし、大変なことだが、今の取り組みを続けなくてはならない」と知事は述べ、「社会的距離」対策など厳しい行動制限を緩和するにはまだかなり時期尚早だと警告した。

アメリカでは都市部を中心に、アフリカ系など有色人種の市民が特に甚大な感染の被害を受けているという統計が出ている。米政府の公衆医療政策のトップにあたるジェローム・アダムス公衆衛生長官は10日、「非常に心配だが、有色人種の人の方が慢性的な疾患による影響を大きく受けているのは、まったく驚かない」と述べ、「自分はいつか致命的なぜんそく発作に襲われるかもしれないと、もう40年間、吸入器をポケットに持ち歩いている」と持ち上げて見せた。

アメリカでは白人に比べ、少数民族の市民の方がぜんそくや高血圧、糖尿病など慢性疾患にかかるリスクが高い。

トランプ大統領は10日の定例会見で、ニューヨーク市ロングアイランド湾のハート島で大きい穴が掘られ、たくさんの棺が次々に埋葬される様子のドローン映像を見たとコメントした。

ハート島では150年前から、近親者がいない、もしくは経済的理由などから葬式の手配が出来ない人が埋葬されてきた。市当局によると、最近ではこの島の集団墓地に通常の5倍のペースで死者が埋葬されているという。

「免疫証明書」の検討も

記者会見に先立ちファウチ博士は米CNNに対して、政府は感染から回復した人に免疫証明書を発行するかどうか検討していると話した。

これは新型コロナウイルスの抗体が血中で確認された人に対するもので、「一定の状況では何か役に立つかもしれない」と博士は話した。抗体検査は来週にも実用可能になるという。

これとは別に米連邦議会は、感染対策の最前線で働く人たちへの現金給付を実現するため、「COVID-19英雄基金」の創設を検討している。

野党・民主党の提案で、すでに受け取っている給与に追加する形で、時給13ドル(約1400円)を支給するというもの。支払い上限は2万5000ドル(約270万円)。

この給付は看護師や医師、食料品店の販売員、公共交通機関の従業員など、社会機能維持に不可欠とされる人たちを対象に、議会の検討が続いている。


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