2020年04月13日 10:33 公開

新型コロナウイルスに感染し、入院していたボリス・ジョンソン英首相(55)が12日、退院した。ジョンソン氏は動画メッセージで、助からない可能性もあったとし、自分の命を救ってくれた医療従事者に感謝の意を述べた。

ジョンソン氏は新型ウイルス検査で陽性と判定され、その10日後の今月5日にロンドンのセント・トマス病院に入院。翌日、集中治療室(ICU)に入り、9日に一般病棟に移った。

ジョンソン氏はツイッターに動画メッセージを投稿し、最前線で新型ウイルス危機に対応する病院職員「1人1人の勇気」を目の当たりにしたと明かした。

この中で、2人の看護師、ニュージーランド出身のジェニー氏とポルトガル出身のルイス氏の名前を挙げ、最も危機的状況の時に2人が48時間もの間、ベッドのそばで待機してくれたと述べた。また、この1週間、治療にあたってくれたほかの病院職員数名の名前も挙げ、感謝した。

さらに、国民保健サービス(NHS)職員は「自らを危険な状況に置き、この致命的な新型ウイルスにさらされ続けている」、「我々のNHSが打ち負かされずにいるのは、こうした勇気や献身、務め、そして愛情のおかげだ」と述べた。

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首相官邸は、ジョンソン氏はロンドン北西にある首相公式別荘「チェッカーズ」で静養を続けると説明した。

「首相の医療チームの助言に従い、首相はすぐには公務に復帰しない。首相は、素晴らしい治療をほどこしてくれたセント・トマス病院のみなさんに感謝したいと願っている。(中略)首相は、この感染症の影響を受けている人々に思いを寄せている」

米ジョンズ・ホプキンス大学の集計によると、イギリスでは日本時間13日午前9時時点で、8万5200人以上が新型ウイルスに感染し、1万629人が死亡している。

マット・ハンコック英保健相は、ジョンソン氏が退院し、別荘で静養を続けることを「うれしく思う」と述べた。

また、セント・トマス病院の職員は、この国の誰に対してもするのと同じ治療を首相にもしたとして、「これが、NHSが私たち全員のためにあるという誇りを持てる理由の1つだ」とした。

ハンコック氏は、ジョンソン氏の公務復帰の時期について問われると、「それは、主治医が首相と一緒に決める臨床的判断になるだろう」と述べた。

「政府は、首相が始めた戦略の枠組みの中で、完全に効果的に動いている」

現在、ドミニク・ラーブ外相が首相の公務を代行している。報道によると、側近はジョンソン氏が最大1カ月間、公務に復帰しないとみているという。

ガイズ・アンド・セント・トマス病院のイアン・アブス医師は、「我々が、すべての患者に同等の高水準の医療を提供しながら、これほど効果的に首相の治療にあたることができたのは、臨床チームの卓越したプロ意識と、組織全体のみなさんのおかげだ」と述べた。

「この良い知らせを祝うのは当然だが、我々の意識は、我々の助けを今も必要としている人々へと直ちに切り替わる。(中略)ガイズ・アンド・セント・トマス病院の全員に代わって、人々にお願いしたい。私たちが人命を救い、NHSを守れるよう、自宅にとどまってほしい」

首相のパートナーで、あと2カ月で出産をむかえるキャリー・シモンズさんは、ツイッターで、「このような親切な応援メッセージを送ってくれたみなさんにも感謝します。今日は信じられないくらいの幸運を感じています」と述べた。

「先週は本当に暗い時があった。同様の状況に置かれ、愛する人の病状を心配するすべての人々に心から同情します」

「私たちの崇高なNHSに、感謝しきれません。セント・トマス病院の職員は信じられないほど素晴らしい。私には決してあなたがたに恩を返すことはできないし、あなたがたへの感謝は尽きないでしょう」

シモンズさんも、新型ウイルスによる感染症(COVDI-19)の症状が出て、自主隔離している。ただ、検査は受けていないという。


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