2020年04月13日 12:15 公開

ローマ教皇フランシスコ1世は12日、ヴァチカンで、無人のサン・ピエトロ大聖堂からイースター(キリストの復活祭)の祝福メッセージを送った。その中で、世界で拡大する新型コロナウイルス危機と戦うため、「世界的な連帯」を呼びかけた。

新型ウイルスの感染拡大防止のため、今年のミサはインターネットで中継された。

ローマ教皇は、「今は無関心になる時ではない。全世界が苦しんでおり、団結する必要があるからだ」と呼びかけた。

また、欧州連合(EU)が崩壊する危険性があると警告。貧しい国々への債務救済を求めた。

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「自己中心的になる時ではない」

新型ウイルスのパンデミック(世界的流行)の影響を最も受けている国の1つ、イタリアでは、ロックダウン(都市封鎖)が続いている。こうした中、ローマ教皇は「ウルビ・エト・オルビ」(ローマと全世界へ)の演説を行った。

ローマ教皇は、この演説によって希望が広がるべきだとした上で、人々がこの危機を乗り切り、最終的に日常生活を再開できるよう、各国の政治指導者に対し「公益」のために尽力するよう求めた。

「今は、自己中心的になる時ではない。我々が直面している問題は、すべての人が共有している問題だからだ」

さらに、「無関心、自己本位、分裂、忘却という言葉は、我々が今聞きたい言葉ではない。我々は、こういう言葉を永遠に禁止したい!」と付け加えた。

ローマ教皇は、特定の国名は挙げずに、国際的な制裁の緩和を求めた。また、医師や看護師、そのほかの不可欠なサービスの従事者を称賛した。

米ジョンズ・ホプキンス大学の集計によると、世界の新型コロナウイルスの死者は、日本時間13日午前11時時点で11万4100人以上に上っている。

EUの崩壊を懸念

ローマ教皇は例年、サン・ピエトロ大聖堂前に集まった数万人の人々に対し、メッセージを送っている。

今年の演説では、とりわけ欧州の未来について懸念を表明。EUが同地域の復興を支援する方法について合意しなければ、EUが崩壊する危険性があると警告した。

EUは今のところ、新型ウイルスが原因の債務を加盟国で分担するための特例ユーロ債の発行について、合意できずにいる。通称「コロナ債」と呼ばれ始めたこの構想は、新型ウイルスの影響を最も受けているスペインやイタリアなどが強く求めている。ドイツやオランダなどのより裕福な国は、この要求を拒否している。

ローマ教皇は、第2次世界大戦以前に存在した対立関係が「力を取り戻さ」ないことが、「これまでになく重要」だと述べた。

「EUは現在、画期的な課題に直面している。EUの未来だけでなく、世界全体の未来を左右する課題に」

ローマ教皇は11日の前夜ミサでも、「恐怖に屈せず」、「死の時代に生の伝令」になるよう人々に呼びかけた。


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(英語記事 Global action needed to fight virus, says Pope