2020年04月14日 11:33 公開

イギリスのドミニク・ラーブ外相は13日、新型コロナウイルスの感染拡大防止のために先月23日から実施しているロックダウン(都市封鎖)について、「感染のピークを越えていない」として事実上の延長を発表した。英政府は3週間ごとに封鎖内容を見直すとしていて、この日がその見直しの期限だった。  

ラーブ外相は、ロックダウン開始から3週間がたったこの日、英政府による新型ウイルス対策は「機能している」としつつ、「我々はまだ新型ウイルスの感染のピークを通過していない」と述べた。

「頑張り続けてください。我々はあまりにも遅れを取っている。措置を緩和するには、あまりにも多くの愛する人々を失い、あまりにも多くを犠牲にしている」

制限緩和を急げば「第2波が起きる」

新型ウイルスに感染して病院で治療を受け、現在は首相別荘で静養中のボリス・ジョンソン首相(55)の公務を代行しているラーブ氏は、現在のロックダウンに関連する根拠を見直すために、科学顧問と会議を開く方針だと述べた。

「我々にはその段階で、現在実施されている措置に変更を加える方針はないし、現実的に、そのような変更を安全に行えるという確信が持てるまで、変更は加えない」

ラーブ氏は記者会見で、あまりに早い段階で制限を緩和すれば、感染拡大の「第2波が起きる危険性がある」だろうと述べた。

英政府は新型ウイルス防止策における出口戦略を欠いているとの主張に対しては、ラーブ氏は、社会的距離措置から「我々が目をそらしたり、世間の注目をそらしたりしないことが極めて重要」だと述べた。

ラーブ氏は、市民がイースターの週末中に「日差しを浴びに外出するという誘惑に駆られ、感染防止アドバイスを無視したり手を抜いたりし始めるのでは」ないかと、政府が「懸念」していたことを認めた。しかし、実際には「圧倒的」大多数の人が自宅にとどまっていたとした。

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英ITVの新型コロナウイルスに関するQ&A番組で、英政府の首席科学顧問、サー・パトリック・ヴァランスはロックダウンについて次のように述べた。

「重要なのは、ロックダウンを十分な期間続けること。そして、ただ『勝利した。新型ウイルスを完全に取り除いた』と宣言しないことだ。(中略)新型ウイルス対策の次のフェーズは、こうした措置を安全な方法でどのように、いつ解除するかを理解することだ」

イギリスの病院で死亡した人の数は、12日から717人増えて1万1329人に上った。英保健省によると、13日午前9時時点で、新たに4342人の感染が確認された。

マスク着用で他人への感染防止

ヴァランス首席科学顧問は首相官邸での定例会見で、新型ウイルス防止のガイダンス内容は、継続的な見直しの対象だと述べた。

また、マスクを着用することで、自分が感染するのを防ぐのではなく、他の人に感染させることを防ぐ効果があるとする「より説得力のある」データを、政府がすでに確認していると付け加えた。

世界保健機関(WHO)は、医療用マスクは一般市民ではなく医療従事者のために確保すべきだとの立場を崩していない。

介護施設でアウトブレイクが発生

英政府の医療責任者、イングランド主任医務官のクリス・ウィッティー教授は、ブリーフィングで、前日だけで92の介護施設で新型ウイルスのアウトブレイク(大流行)が起きていることを確認したと明らかにした。

「アウトブレイクが発生している疑いがあれば、公衆衛生当局は実際にアウトブレイクが発生しているのかを確認するための検査を行うだろう」

英保健省はその後、BBCの取材に対し、イングランドでこれまでに2099施設でアウトブレイクの発生を確認したと認めた。

ウィッティー教授は、「弱い立場の人たちが大勢いる」介護施設で「より幅広い検査」を行いたいと付け加えた。

「我々が望んでいることの1つは、介護施設での検査人数の拡大だ。今後数週間で検査能力が強化されるからだ」

野党・労働党のリズ・ケンドル影の社会福祉相は、「この問題の真の規模を把握し、どれくらい早く感染が拡大しているかを把握するために」、介護施設内での日別の死者数を公表するよう政府に求めた。

ダラムでは、72人が入居可能な介護施設で、新型ウイルスの症状が現れた13人が死亡したことがわかっている。

こうした中、ヴァランス首席科学顧問は、英国内での死者数について、安定する前に、今後数日の間に増加する可能性が高いと警告した。

「今週、我々はさらなる増加を目の当たりにするだろう。その後に、社会的距離戦略の効果が出て、人数が安定するはずだ。しばらく安定が続いた後、人数が減少し始めるかもしれない」


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(英語記事 'Don't expect changes to UK virus lockdown yet'