2020年04月14日 11:44 公開

米ニューヨーク州の新型コロナウイルスの死者が13日、1万人を超えた。しかし、感染拡大は横ばい状態になったとの見方が出ており、同州を含む東部6州の知事は、封鎖解除の検討を始めている。

ニューヨーク州では、新型ウイルスの感染者が19万人近くに上り、死者は1万人を超えた。世界でもかなりの高率となっている。

アンドリュー・クオモ知事は13日の記者会見で、同州は「最悪を脱した」と表明。州内の1日あたりの死者は671人と「恐ろしい」人数だが、直近1週間で最少になったと説明した。

そのうえで、「私たちが賢明であり続ければ、平常へと続く道に踏み出せる」と述べた。

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ただ、社会的距離を保つことをやめれば、この改善傾向はすぐに逆戻りするだろうとした。

「無配慮な行動を2、3日するだけで数字は転換してしまう」とクオモ氏は警告した。

西海岸3州も封鎖解除を協議

こうしたなか、ニューヨーク、ニュージャージー、ロードアイランド、コネチカット、デラウェア、ペンシルヴェニアの東部6州は、封鎖の解除に向けた「極めて慎重な」検討を始めたと明らかにした。具体的な時期は示していない。

知事らは13日、電話会議で協議。封鎖解除は用心深く、医学的な意見を厳格に守りながら進めることで一致した。

クオモ氏は、「誰にとっても初めてのことだ」、「ビジネスの古い規制と手法の多くがお払い箱になっている」、「州の境界は新型ウイルスにはほぼ無意味だ」などと述べた。


また、カリフォルニア、ワシントン、オレゴンの西海岸3州も、封鎖解除の協議を開始したと発表した。

全米の新型ウイルスの感染者は68万人を上回り、2万3000人以上が死亡している。ともに世界最多だ。アメリカでは人口の4分の1が、封鎖解除の検討を始めた東部6州と西海岸3州に集中している。

解除は誰の権限か

ドナルド・トランプ大統領は、州知事には封鎖を解除する権限はないと示唆している。13日にはツイッターで、「フェイクニュースメディアの一部は州の封鎖解除は知事の決定だとしている」としたうえで、「大統領の決定だ」と主張。同日の記者会見でも、「大統領が指示を出す」、「大統領の権限がすべてだ。知事もわかっている」と強調した。

トランプ氏は憲法に基づく権限だと説明したが、憲法は、公共の秩序と安全を維持する権限は州にあると明記している。学者たちは、新型ウイルス対策の規制を解除する決定権は、州知事にあると述べている。

トランプ氏は、社会的距離戦略を4月末まで続けるよう指示している。ただ、いつこの規制をやめるべきかをめぐっては、意見が分かれている。

同氏は規制を緩めたい意向を明確にしている。一方、保健の専門家らは早期の規制解除に反対している。


トランプ氏は封鎖解除について政府に助言する諮問機関を設け、娘のイヴァンカ氏をメンバーに加える予定だ。近く、諮問機関の名称を発表するとみられている。

ホワイトハウス報道官は、「大統領は経済が再開し、国民が仕事に戻ることを望んでいる。しかし、決定の時期は科学的データに基づくことになる」と述べた。

自賛ビデオを公開

この日のトランプ氏の記者会見では、メディアを激しく非難し、トランプ氏の新型コロナウイルス対策を称賛する内容のビデオを政府が公開した。トランプ政権の取り組みを称える知事たちの動画も含まれていた。

会見を中継していたメディアのいくつかは、急いで中継を中断した。


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