小林恭子(在英ジャーナリスト)

 日本でもいよいよ、緊急事態宣言が発令され、新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐための本格的な動きが始まった。

 筆者が住む英国では、3月中旬から外出自粛要請が出ていたが、本格的な「ロックダウン(都市封鎖)」状態になったのは3月23日からだ。現在4週目となっているが、5月上旬まで続く見込みだ。

 ロックダウンの内容は国によって異なるが、英国では「自宅にこもる(stay at home)」をキーワードにした、人と人の間に距離を置く「社会的距離」(social distancing)政策が実行されており、具体的には、以下の3本柱になる。

1.外出禁止
2.一定のビジネス活動の停止、集会場所の閉鎖
3.(同居していない)2人以上による公的空間での集合停止


 なお、外出禁止には、以下の例外がある。

・食料や医薬品などの生活必需品の買い物。しかし、可能な限り頻度を少なくする。
・1日1回、一人であるいは同居する家族とともに、運動のために戸外に出ることができる。例えば、走る、歩く、ジョギングをする、など。
・医療サービスを受ける、献血をする、あるいは支援が必要な他者を助けるためには出掛けてもよい。
・自宅勤務が不可能な仕事には、出掛けてもよい。


 以上の条件で外出した場合でも、他者とは2メートルの距離を取る必要がある。同居していない家族や友人に直接会うことも原則、禁止である。

 「一定のビジネス活動の停止、集会場所の閉鎖」とは、より具体的にはパブ、映画館、劇場、先のような生活必需品を扱う以外の小売店、図書館、地域センター、レジャー施設、スポーツクラブ、教会、ホテル、キャンプ場などの閉鎖を指す。逆に言うと、開いているのはスーパーやそのほか日用必需品を売る店、郵便局、銀行などだ。レストランやカフェはテイクアウトサービスのみを提供でき、通常のような形では営業できない。学校も休校措置となっている。
英政府から届いた手紙(右)とパンフレット(筆者撮影)
英政府から届いた手紙(右)とパンフレット(筆者撮影)
 また、政府から頻繁にメッセージも届く。「自宅にいてください」「社会的距離を取ってください」「それが医療サービスを助けることになります」といった内容だ。政府はこれらのメッセージを繰り返し発信している。毎日、首相官邸で記者会見を行うと同時に、街中にはこのメッセージが入った広告があちこちに出ている。筆者の携帯電話にも「自宅にいるように」というテキストメッセージが入った。

 また、ボリス・ジョンソン首相からの手紙と自宅にいる必要性を書いたパンフレットが、どの家庭にも郵送された。ツイッターを開けると、時々、同様のメッセージが出ることもあり、「これでもか!」というほど頻繁に情報が発信されている。4月5日と11日には、エリザベス女王が国民にメッセージを伝える番組まで放送された。