
2020年04月14日 15:01 公開
インドネシアでは「亡霊」が地域をうろついて、住民らに距離を保つよう働きかけている。新型コロナウイルスの感染拡大を防止するのが狙い。
ジャワ島のケプ村では先月から、夜になると亡霊の格好をしたボランティアがパトロールをしている。地元の青年団と警察による取り組みだ。
インドネシアの言い伝えには「ポコン」と呼ばれる、死者の閉じ込められた魂の現れだとされる亡霊が登場する。
青年団の代表は、「変わったことをして抑止効果を生み出したかった。ポコンは不気味で人々を怖がらせる」とロイター通信に述べた。
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米ジョンズ・ホプキンス大学の集計では、同国の新型ウイルスの感染者は約4500人、死者は約400人に上っている。
ただ、実際の感染状況はずっと深刻だと、専門家らは懸念している。
ジョコ・ウィドド大統領は、全国的な都市封鎖(ロックダウン)は指示していない。しかし、厳しい規制をしないと医療制度が崩壊するとの懸念も出ている。
ケプ村の村長は、「住民は(新型ウイルスの感染症の)COVID-19の感染をどう抑えるかの意識に欠ける」、「ふだんどおりに生活したがるので、家から出ないようにという指示を守らせるのはとても難しい」とロイター通信に述べた。
はじめは逆効果
奇抜な新型ウイルス対策は当初、狙ったのとは逆の効果を生んでしまった。ロイター通信によると、人々が「亡霊」を見ようと集まってしまったという。
しかし住民たちは、長期的にはこの感染防止対策が状況を改善していると評価している。
カルノ・スパドモさんは、「ポコンが姿を見せ始めてから、親や子どもたちが家から出なくなった」とロイター通信に述べた。「夕方の祈りの後、人々が通りで集まったり、居残ったりしなくなった」。
この地域のモスク(イスラム教の礼拝所)を管理するアンジャー・パンカさんは、ポコン姿でのボランティア活動について、新型ウイルスの死に至る危険性を想起させる点で効果があると、現地紙ジャカルタ・ポストに語った。
コロナウイルス型も
変わった方法で新型ウイルスの危険性に注意を向けさせる試みは、世界各地で見られる。
例えばインドでは、警察官がコロナウイルス型のヘルメットを着用し、ウイルスのリスクをアピールしている。
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