2020年04月16日 10:57 公開

ドイツのアンゲラ・メルケル首相は15日、新型コロナウイルスの世界的流行(パンデミック)を受けて実施している制限を、来週から徐々に緩和する計画を発表した。

欧州では制限緩和の動きが広がっている。ドイツも緩和に乗り出すが、社会的距離の確保は最も早くて5月3日まで続け、商店や公共交通機関でのマスク着用も奨励するとしている。

メルケル氏は国内16州の知事とビデオ会議を開いた後、厳格な都市封鎖(ロックダウン)を段階的に緩めると発表した。

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広さ800平方メートルまでの商店は20日から営業できる。ただ、「衛生管理計画」があることを条件とした。

自動車、自転車、書籍の販売店は規模に関係なく再開できる。理美容店は厳しい衛生規制に従う場合、来月4日から開けられる。

学校は来月4日以降、「徐々に非常にゆっくり」再開できる。試験を予定している生徒を優先し、休憩時間や送迎バスに関して新たな安全対策を導入する。

「実施には大変な努力を伴い、細心の準備が必要だ」とメルケル氏は述べた。

大型集会は8月末まで禁止

一方、宗教儀式を含む大規模な会合は8月末まで禁止を続ける。バーやカフェ、レストラン、映画館、音楽ホールなども閉鎖を続ける。

マスク着用については、メルケル氏は「他人を守ることになる」として強く勧めた。義務にはしなかったが、他の国と同様、公共の場でのマスク使用を指示した。


ドイツのロベルト・コッホ研究所(RKI)によると、同国の新型ウイルス感染者は12万7584人、死者は3254人となっている。

メルケル氏は同国の現状について、厳格な制限により「壊れやすい中程度の成功」を収めたと説明。「集中して進み続ける必要がある」、「いろいろなことをする余裕はない」とした。

経済悪化の懸念が増幅

欧州最大の経済国ドイツの経済省は、「世界的な需要の崩壊、サプライチェーンの中断、消費者行動の変化、投資家の不安感」により、3月に景気後退に入ったとしている。

ドイツ政府は先月、新型ウイルスの影響を和らげることを目的に、7500億ユーロ(約88兆円)規模の経済対策案を議会で通過させた。

世界経済への打撃に対する懸念はいっそう強まっている。

国際通貨基金(IMF)トップは、1930年代の大恐慌以降で最悪の経済危機が到来すると警告している

欧州連合(EU)は先週、影響が深刻な加盟国を対象とした5000億ユーロ規模の救済対策に合意した。

欧州委員会(EC)のウルズラ・フォン・デア・ライエン委員長は15日、加盟27カ国に対する制限の段階的解除の行程案を示した。感染者の大幅な減少や十分な医療、監視、検査体制を条件に挙げ、すぐに実行するものではないとくぎを刺した。

欧州の他国の状況

  • デンマークは学校と11歳までの子どもの託児所を再開した
  • スペインでは建設業、製造業の再開が進んでいる
  • オーストリアでは14日、何千もの商店が営業を始めた。テニスやゴルフ、ランニングなどの屋外スポーツを5月1日から認める
  • イタリアの一部地域では書店と子ども服店が再開した
  • フランスはロックダウンを5月11日まで4週間延長した
  • ベルギーは最も早くて5月3日まで制限を維持する

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(英語記事 Germany slowly eases lockdown measures