2020年04月19日 10:43 公開

ローラ・スコット、BBCスポーツ

東京五輪・パラリンピックが予定通り来年夏に開催できるかについて、新型コロナウイルスのワクチンがそれまでに開発できなければ「非常に非現実的」だと、国際公衆衛生の第一人者がBBCに話した。

英エディンバラ大学で国際公衆衛生研究を主導するデヴィ・スリダール教授は、今年夏から来年へと1年延期された東京五輪・パラリンピックの実施は、「ワクチンがあるかどうか次第だ」と話した。さらに、効果的で価格が高すぎない治療法がそれまでに開発されるかどうかが、決定的な要因になるとの見方を示した。

その上で教授は、「ワクチン開発にあたっている研究者たちから、これは可能だという話は聞いている。1年か1年半先になるかと思っていたが、もっと早く実現するかもしれないという情報もある」との期待も示した。

「来年中にワクチンが使えるようになれば、(オリンピック開催は)実は現実的だと思う。効果的で価格が手ごろで、入手しやすいワクチンの実現が、事態をがらりと変える」とスリダール教授は述べた。

「一方で、もし科学的な事態突破がなければ、(予定通りの開催は)非常に非現実的なことに思える」と教授は続け、「1年延期して再検討するという判断は、正しかったと思う」と話した。

「そうするしか、今の事態には対応できないと思う。状況を把握して、前向きな希望を抱きながら、科学コミュニティーや英国民保健サービス(NHS)ができるだけのことをやれるように応援するという、それしか。というのも、この状態から脱出するには、長期的には科学によるしかないので」

これに先立ち国際オリンピック委員会(IOC)と東京五輪の組織委員会は16日、幹部がテレビ会議で協議し、東京五輪が「トンネルの先の光」になるよう期待すると繰り返していた。

一方で、IOCのジョン・コーツ調整委員長は、新型コロナウイルスが今後もなお来年に延期された五輪に影響する可能性はあると認めた。

16日の記者会見でコーツ調整委員長は、新型ウイルスによる感染症「COVID-19」の懸念が今後も「大規模集会や選手の検査」に影響する可能性があると述べ、IOCは世界保健機関(WHO)の判断を指針としていくと話した。

IOCと東京五輪組織委は同日、コーツ調整委員長と森喜朗組織委会長を筆頭に、延期された東京五輪・パラリンピックの実施に取り組んでいくと発表した。

森会長は「前例のないチャレンジを乗り越えるための、体制作りを勧めて来た。本日の合意は、5年、6年かけて準備してきたものを今後1年で推し進める上で重要な成果だと考えている」と述べた。

日本では、東京など7都府県を対象に4月7日に出された緊急事態宣言が、16日には全国に拡大され、5月6日まで続く見通しとなっている。

BBCはIOCにコメントを求めている。

(英語記事 Tokyo Olympics and Paralympics in 2021 'very unrealistic unless vaccine is found'