2020年04月19日 14:36 公開

マーク・サヴェージBBC音楽記者

新型コロナウイルスによる感染症(COVID-19)が世界で猛威を振るう中、各国のスター歌手が自宅から配信する慈善コンサート「One World: Together at Home」 が、日本時間19日午前3時から開催された。(文中敬称略)

レディー・ガガが発起人となったこのイベントは、医療現場で働く人たちを応援することが目的で、世界保健機関(WHO)と慈善団体「Global Citizen」が主催した。

チャーリー・チャップリンの「スマイル」をアップテンポで披露したレディー・ガガは医療従事者に対し、「私たちに与えてくれた優しさのほんの少しでもお返ししたい」と話した。

サー・ポール・マッカートニーはビートルズの「レディ・マドンナ」を披露。医療従事者は「本物の英雄だ」と称賛し、第2次世界大戦中に看護師として働いていた母メアリーさんを思い出すと語った。

日本ではアップル・ミュージックやアマゾン・プライム・ビデオ、Huluなどで配信された。また20日午前1時30分からは、フジテレビ系列で地上波とFOD、CSフジテレビONE、スポーツ・バラエティで日本語字幕版が放送される。

8時間にわたるイベントには100人以上のアーティストが参加し、エルトン・ジョンやビリー・アイリッシュ、スティーヴィー・ワンダーといったスターが自宅から演奏を配信した。

収益はWHOのCOVID-19対策基金へ送られるものの、レディー・ガガはこのイベントはあくまでエンターテインメントで、世界中の連帯を呼びかけるものだと強調。募金を集めることが目的dえはないと語った。

配信の冒頭では、ロックダウン(都市封鎖)で自宅にとどまっているフランスやスペイン、イギリス、アメリカの市民が医療従事者へ拍手を送っている様子をモンタージュで紹介した。

さらに、「最前線ではたらく医療従事者の皆さん、私たちは共にいます。そこにいてくれてありがとう」という文章が流れた。

主催団体の「Global Citizen」は声明で、「私たちは今は離れ離れかもしれないが、心をひとつにすることが今まで以上に大切だ」と訴えた。

イベントは6時間のプレ・コンサートと2時間のメイン・コンサートの2部構成。プレ・コンサートの最初に登場した女優のジャミーラ・ジャミルは、「真の英雄たちに、束の間の休息とできれば喜びを届けるためにここにいます。毎日命を懸けて、人命救助に当たってくれていることに感謝します」と話した。

最初のパフォーマンスはアメリカのシンガー・ソングライター、アンドラ・デイが担当し、自宅からバラード「Rise Up」を届けた。

「ワン・ダイレクション」のナイル・ホーランもすぐ後に登場。アコースティック・ギターを弾きながら「Black and White」を演奏した。元メンバーのリアム・ペインも、「Midnight」を披露し、「みんなにとってとても暗い時期になったけど(中略)こうして連帯することでもっと近づける気がする」と話した。

アメリカのロックバンド「ザ・キラーズ」からは2人のメンバーが登場し、「Mr Brightside」を披露。このほか、アダム・ランバートが英「ティアーズ・フォー・フィアーズ」の「Mad World」を、ジョン・レジェントとサム・スミスがベン・E・キングの「スタンド・バイ・ミー」をカバーした。

イギリスのロックバンド「ローリング・ストーンズ」は、メンバーがそれぞれの自宅から「You Can't Always Get What You Want」を演奏したが、ドラマーのチャーリー・ワッツはドラムセットがないため、ソファのアームなどを叩いての参加となった。

リタ・オラはWHOの推奨する自宅待機を守るよう視聴者に訴えた後、「I Will Never Let You Down」を歌った。

アニー・レノックスは、ドナルド・トランプ米大統領が先にWHOへの資金拠出を停止するよう指示したことに言及。トランプ氏の名前は出さなかったものの、「史上類を見ないこの時、私たちは世界の保健システムが将来パンデミックが起きる前にこれを特定し、防げるだけの力を持つよう、共同で責任を持たなくてはならない」と批判した。

エリー・ゴールディングやクリスティーヌ・アンド・ザ・クイーンズは、ロックダウン状況下のメンタルヘルス(心の健康)について話し、気分が落ち込む時は友達に助けを求めるよう呼びかけた。

クリスティーヌは、「(今の状況は)とても苦しいけど、落ち込んだ時はバーチャルでも助けを求めるのをためらわないでほしい」と述べた。

テイラー・スウィフトは、自宅のピアノ室から「Soon You'll Get Better」を披露。この曲は、母親ががんの告知を受けた時のことを歌ったものだが、病院の待合室の描写や無事を祈る歌詞が今のパンデミックの状況に合致した。

メイン・コンサートでは、米テレビ司会者のスティーヴン・コルベア、ジミー・キメル、ジミー・ファロンが案内役を務め、各国でのテレビ放送のほか、フェイスブックやインスタグラム、ツイッター、YouTube、アマゾン・プライム・ビデオ、アップルの各配信サービスなどでも配信された。

コンサートの最後を飾ったのは、1998年のアニメーション映画「魔法の剣 キャメロット」の主題歌、「The Prayer」だった。

セリーヌ・ディオン、レディー・ガガ、アンドレア・ボッチェリ、ジョン・レジェンドの4人が、暗闇から抜け出そうとする歌詞を共に歌った。

"When we lose our way / Lead us to the place / Guide us with your grace / To a place where we'll be safe."

「私たちが迷子になったら、連れて行ってください、あなたの慈しみで導いてください、安全なその場所へ」

(英語記事 Star-studded concert celebrates health workers