2020年04月21日 11:57 公開

オーストラリアの航空会社ヴァージン・オーストラリア・ホールディングスは21日、任意管理手続き(日本の民事再生法に相当)に入ったと発表した。オーストラリアの大企業として、新型コロナウイルスのパンデミック(世界的流行)によって経営破綻した第1号となった。

ヴァージン・オーストラリアは、カンタス航空に続く国内2位の航空会社。各国が渡航制限を敷く中、3月にほとんどの便を欠航していた。また、以前から50億豪ドル(約3400億円)の負債を抱えていた。

新型ウイルスによる経営難を受けてオーストラリア政府に14億豪ドルの融資を求めていたものの、折り合いがつかなかった。すでに新規譲渡先や投資家を探しているという。

同社のポール・スクラ最高経営責任者(CEO)は、「この決定は、将来のヴァージン・オーストラリア・グループを守り、COVID-19危機を乗り越えて再浮上するためのものだ」と説明。

「オーストラリアには2つ目の航空会社が必要だ。我々には飛び続けるつもりだ」

ヴァージン・オーストラリアは監査法人デロイトを管財人に指名。今後、債務を再編するほか、資本注入に向けて新たな投資家を探す方針だ。

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ヴァージン・オーストラリアは英ヴァージン・グループの傘下で、他にもアラブ首長国連邦(UAE)政府、シンガポール航空、中国の海航集団(HNAグループ)などが経営に参画している。従業員は約1万人。また、補助業務で6000人の雇用を生み出している。

130機を保有し、新型ウイルスの影響で欠航になる以前は41カ所に就航。多くが国内線だが、ニュージーランドやフィジー、バリ島、東京、ロサンゼルスなどにも就航していた。

しかし、過去10年で黒字を出したのはたった2年だった。

オーストラリアの消費者団体や地元の政治家は、ヴァージン・オーストラリアが再建されなければ、カンタス航空が市場を独占してしまうと懸念している。

オーストラリアでは国内の沿岸都市間の移動を航空便に依存しており、ヴァージン・オーストラリアは国内線市場の31%、カンタス航空は58%を占めていた。

さらに、国内総生産(GDP)を大きく左右する観光業にとっても、航空会社の損失は痛手となると考えられている。

こうした中、ヴァージン・グループのリチャード・ブランソン会長は、イギリス政府からヴァージン・アトランティック航空への救済措置を引き出すため、保有するカリブ海の島を担保にすると発表した。

(英語記事 Virgin Australia collapses into administration