ここに挙げた大会はほんの一例であり、これら以外にさまざまなイベントが開催されている。それらがいろいろなメディアや会員制交流サイト(SNS)で取り上げられることにより、eスポーツにそれほど関心のなかった層にもその魅力が広がっている。

 一流のフィジカル系アスリートやミュージシャン、ゲーム配信を行うストリーマーたちが真剣勝負を繰り広げ、チームや個々のプライドをかけて熱中して闘う姿を見せることで、eスポーツの面白さを体感する機会が増えてきているのだ。

 eスポーツは言葉、距離、年齢、性差、障害など、さまざまな壁を越えると言われている。実はこれまでも、そういった事例は枚挙にいとまがないのだが、多くの人に認知される機会は少なかった。

 だが、新型コロナウイルスによる影響でフィジカルスポーツができない中、オンライン上で数多くのeスポーツイベントが開催された。それが結果として、さまざまな人々に「スポーツ」という言葉が本来持っている「楽しみ」を提供していると言えるのではないだろうか。

 今までeスポーツにあまり関心のなかった層が、実際に触れる機会が増えたことで、「コロナショック」が落ち着いたころには、若者の支持するeスポーツを取り込みたい企業などのプロモーション需要がますます高まってくると思われる。

 また最近、知人の話で感じたのが、親子のゲームに対する向き合い方の変化だ。在宅勤務により親が家にいる時間が長くなったことで、子供が熱中しているゲームを、それとなく見ているうちに興味を持つ親が増えたという。子供から操作を教わりながら一緒にやり始め、プレーするうちに親子のコミュニケーションが活発になったそうだ。
写真はイメージ(gettyimages)
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 在宅勤務が始まる前は、子供がやっているゲームをチラッと見ただけで「何をやっているかよく分からない」と言っていたのが、不思議なぐらいの変わりようである。このまま、ゲームを共通の趣味とした親子のコミュニケーションが増えれば、近頃言われている子供の「ゲーム依存」も減ると個人的には考えている。

 新型コロナウイルスで暗い話題が多い一方で、ゲームを通した社会での流れが、現状に一筋の明るい材料になってくれればと、私は願うばかりである。