「今年は無理」=neverだ。今年が無理なら、クラブ自体が消滅し、来年以降もずっと無理かもしれない。サッカーに限らず、全てのスポーツや芸能に通じることだが、「今年だけやめる」という選択肢は最初からない。

 不要不急が長引けば、「不要普通」だ。文化を止めれば、文化は死ぬ。今は仮死状態だが、長引けば、やがて二度と蘇生できない状態になってしまう。「今年は無理」に、その覚悟があるのか。

 そうした危機感が渦巻く中、Jリーグは予定を白紙としながらも、今後は1カ月刻みで再開の検討を続けることを発表した。

 当面は6月、7月、8月が意識されている。Jリーグは今季を降格なしとした上で、シーズンの成立条件を「全試合の75%以上、各クラブ50%以上の消化」と定めた。

 8月再開はギリギリの防衛ラインだろう。再び中止に追い込まれる事態も想定するなら、早めに再開したい。

 もちろん、安全の確保は必須だ。闇雲に「安心」を求める行為ではなく、安全、つまりリスクを社会が受容可能なレベルまで極小化した状態を得られるか、そこが再開の焦点である。6~8月に再開する場合は、最初の1カ月を無観客で行うことも視野に入っている。

 しかし、果たしてそれで済むだろうか。4月初旬にリーグの再延期を決めたとき、「市中の蔓延期であることや、移動などで選手をリスクにさらすと考えると無観客試合も難しい」と否定した経緯を踏まえれば、6~8月になって、状況が自然クリアされているとは考えにくい。正直、無理だろう。

 単なる無観客では再開が見通せない。そこで参考になるのは、イングランドのプレミアリーグで検討されている「セントラル方式」だ。一つのスタジアムに全チームを集め、集中的に無観客試合を行う。

 この合宿方式なら、試合に関わる選手の移動リスクは抑えられる。Jリーグもこのセントラル方式=合宿隔離方式を、単なる無観客以上の対策として準備してはどうか。
2020年3月28日、横浜FC戦の前半、先制ゴールを決めた名古屋・阿部=豊田スタジアム(甘利慈撮影)
2020年3月28日、横浜FC戦の前半、先制ゴールを決めた名古屋・阿部=豊田スタジアム(甘利慈撮影)
 セントラルの場所は東北や九州など、感染者数が少ない地域とする。なおかつ無観客でも周辺に集まろうとするファンの接触を遮断可能な大きめのスタジアムがいい。

 選手やスタッフは街への外出を禁止する。また、サポーターが絶対に現地へ行かないよう、各クラブが注意喚起し、制止を振り切る者には無期限の入場禁止処分を課す。