
2020年04月26日 11:37 公開
新型コロナウイルスによる感染症(COVID-19)の死者が25日、全世界で20万人を突破した。米ジョンズ・ホプキンズ大学による集計で明らかになった。
集計によると、これまでの感染者数は全体で290万人近くに達している。
新型ウイルスによる死者は、中国の国営メディアが1月11日に初めて報じた。これまでに210カ国・地域以上で感染が確認されている。
2万人以上の死者が出ている国は5カ国に上るが、死者の記録方法はまちまちだという。
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最も死者数が多いのはアメリカで、24日に5万人を突破。これにイタリアとスペインが続いている。
イギリスの保健省は25日、COVID-19によって病院で亡くなった人数が2万人を超えたと発表した。
プリティ・パテル内相は、この数字は「悲劇的でひどい通過点」で、「イギリス全土が嘆いている」と話した。
ただし、イギリスの統計は自宅や介護施設などでの死者は含まれていないため、実際の死者数はもっと多いとされている。
介護施設での死者も集計に含めているフランスでは3月初め以降、2万2614人が亡くなった。24日の死者は369人だった。
ただし当局によると、病院での死者数は減少傾向にあり、集中治療を受けている人の数も7日間連続で減っているという。
その他の最新状況は以下の通り。
- 世界保健機関(WHO)は、COVID-19から回復しても、また感染しないという証拠はないと警告
- ニューヨーク州のアンドリュー・クオモ知事は、薬局でのCOVID-19検査を認める意向を示した。また、4つの病院で抗体検査を拡大し、看護師や警官など社会活動に必要な職種から検査を行うと発表した。同州では1万6000人以上が亡くなっている
- イギリスではロックダウン(都市封鎖)開始以降、リベンジ・ポルノ(復讐目的で相手の性的な画像などをインターネット上に投稿する行為)のヘルプラインに連絡する人が増えた
- ベラルーシでは、児童養護施設で障害のある児童13人と職員10人が新型ウイルスに感染したことが発覚し、政府に支援を求めている
流行始まった地域、第2波が来た地域も
WHOは今週初め、アフリカや東欧、中南米で新型ウイルスの感染者が増加していると説明。テドロス・アダノム・ゲブレイエスス事務局長は、西欧の流行は横ばいか縮小に向かっているように見える一方、多くの国では流行が始まったばかりだと指摘した。
また、「初期にパンデミックの影響を受けた一部の国では、感染者が再び増え始めているところもある」と話した。
たとえばシンガポールは当初、新型ウイルスの封じ込めに成功したと称賛を受けていたが、最近では工業地帯や労働者の寮などで感染が広がっている。
一方、中国当局は25日、死者数ゼロの日が10日間続いたと発表。韓国も2日連続で死者が出なかった。
なぜ各国の比較が難しいのか
統計学者は、各国が報告している死者数が必ずしも新型ウイルスの流行の全体像を表しているわけではないと指摘している。
たとえば、アメリカは死者5万3000人超と突出して死者数が多いが、その人口は約3億3000万人と他国より圧倒的に多い。
これは西欧の5大国(イギリス、ドイツ、フランス、イタリア、スペイン)の合計人口(約3億2000万人)にほぼ等しい。そして欧州全体のCOVID-19による死者数は、アメリカよりも多い。
また、死者の記録方法も国によって違う。介護施設での死者数を含めて全体像を明示する国もあれば、COVID-19と特定され、病院で亡くなった人だけを数えている国もある。
たとえばベルギーでは、人口1140万人に対して新型ウイルスの死者が6917人に上っている。しかしこの半数以上が介護施設で亡くなった人で、さらにCOVID-19疑いの人も含めているため、データ上では非常に深刻なように見えている。
(英語記事 Worldwide virus death toll climbs to 200,000)
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