2020年04月27日 12:39 公開

イタリアのジュゼッペ・コンテ首相は26日、新型コロナウイルス対策で7週間続けてきた規制を緩和する計画を発表した。同国では1日あたりの死者数が3月中旬以降で最少となった。

コンテ氏は、5月4日から規制を緩めると述べた。マスクを着け少人数で親族を訪ねることを許可する。

公園も再開する。一方、学校は9月まで休校とするとした。

米ジョンズ・ホプキンス大学の集計(日本時間27日午前10時現在)では、イタリア当局が発表した新型ウイルスの死者は2万6644人で、欧州最多となっている。確認された感染者は19万7675人で、欧州ではスペインに次いで多い。

イタリア当局は26日、1日あたりの死者が260人だったと発表した。これは3月14日以降で最少。

確認される感染者数も減少傾向にあり、1人の感染者から感染する人数が減少していることから、政府は規制を慎重に緩めることが可能だと判断した。

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緩和でどうなる?

コンテ氏はこの日、イタリアは都市封鎖(ロックダウン)解除の第2段階に入るとし、テレビを通して以下の説明をした。

  • 国民は各自の地域内で自由に移動できる。ただし、別の地域への移動は認められない
  • 葬儀は参列者15人までなら認める。できれば屋外で開く
  • スポーツ選手は練習を再開できる。一般国民にも自宅付近だけでなく、広い範囲での運動を認める
  • バーやレストランは持ち帰り料理の提供を5月4日から再開できる(現在は配達だけ可能)。ただし、その料理を食べるのは、家か職場に限定される
  • 理美容院、バー、レストランの店内営業再開は6月1日を見込んでいる
  • まだ営業を再開していない小売店、美術館・博物館、図書館は5月18日に再開する
  • スポーツ団体は5月18日から団体練習を再開できる

イタリアのサッカーリーグ、セリエAの再開については、無観客での試合開催の可能性を含め、何も発表されていない。

コンテ氏は、社会的距離の維持はまだ数カ月間は続ける必要があるとし、他人とは1メートル以上離れるよう指示した。また、教会での礼拝は引き続き禁止されると述べた。

「警戒を怠れば感染も死者も増える。経済に取り返しのつかない悪影響が及ぶ」とコンテ氏は述べ、「イタリアを愛するなら距離を取ろう」と呼びかけた。

イタリアの経過

イタリア国民は3月9日から、自宅待機命令が出されたままで生活を続けている。自宅周辺の外に出ることは認められていない。

4月14日に規制をわずかに緩め、書店やクリーニング店、文房具店など小規模商店が営業を再開した。そうした店舗は混雑の可能性が低く、リスクは低いとの判断だった。

ローマで取材するBBCのマーク・ロウエン記者は今回の緩和について、地獄のような惨状をこらえた国にとって、経済を再開し、自由を味わうための行程表になると説明する。ただし、イタリアが回復するには何年もかかるかもしれないという。

感染が再び拡大した場合には、イタリア政府は規制を再導入する権限をもつ。

他の国では

スペイン政府も規制の一部緩和を発表した。6週間ぶりに、子どもの外出を許可した。

同国は26日、1日あたりの死者が288人だったとし、過去5週間で最少となったと発表した。

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アメリカでは、さらに多くの州がロックダウンの規制を緩めている。テネシー、コロラド、モンタナの各州は一部の商店の再開を認めた。

共和党員が知事を務めるアーカンソー、アイオワ、ネブラスカ、ノースダコタ、オクラホマ、サウスダコタ、ユタ、ワイオミングの8州は、自宅待機命令を一度も出していない。

米ジョンズ・ホプキンス大学の集計(日本時間27日午前10時現在)では、アメリカの新型ウイルスの死者は5万4000人を超え、感染者は96万5000人以上となっている。

イギリスでは25日、病院で確認された死者数が2万人を超えたと政府が発表した。ボリス・ジョンソン首相が27日、職務に復帰する。ジョンソン氏は新型ウイルスに感染し、今月5日に入院。集中治療室で3夜過ごすなど病院で1週間治療を受けた後、12日に退院し、首相別荘で静養していた。


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(英語記事 Italy moves to ease Europe's longest lockdown