2020年04月29日 12:34 公開

フランスのエドゥアール・フィリップ首相は28日、議会で演説し、新型コロナウイルス対策のロックダウン(都市封鎖)を5月11日から緩めるとともに、公共交通機関と中学校でのマスク着用を義務付けると述べた。

フィリップ氏は、生活必需品には当たらない品物を扱う商店や市場は5月11日から営業を再開できるとした。バーやレストランの再開は認めない。

また、商店側は客に対しマスク着用と1メートルの間隔の保持を求める権利をもつと述べた。

国民はこれ以降、目的証明書なしに外出することが可能になる。10人までの会合も認められる。保育施設も再開できるが、各施設が受け入れる子どもは最大10人に制限する。

ただ、地域によって感染状況が異なるため、フィリップ氏は各地の市長や当局が実情に合わせて、政府の方針を適用することを認めるとした。


中学校の生徒はマスク義務に

学校は幼稚園と小学校を皮切りに、段階的に再開する。

幼稚園は来月11日に再開。流行が小規模な地域の中学校は同18日からの再開が認められる見通しだ。高校は来月末の再開を予定している。

11~15歳の生徒はマスクを着けるよう求められる。入手が難しい場合は政府が支援する。教室に入る人数は15人を超えないようにする。

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フランスはイギリスやイタリア、スペインなどの欧州の国々とともに、新型ウイルスの感染症COVID-19の深刻な影響を受けている。

保健省は28日、新型ウイルスの死者は367人増え、2万3660人になったと発表した。感染者は12万9859人に上っている。フランスの人口は約6700万人。

一方、入院患者と集中治療室にいる患者の数はともに減少しており、これがフランスの慎重な楽観につながっている。

「ウイルスと共存」

フィリップ氏はこの日、議会で演説し、ロックダウンにより推定6万2000人の命が、国内で1カ月間に救われたと述べた。そのうえで、経済の破綻を避けるため、制限を緩めるときだとした。

また、ワクチンか有効な治療法が開発されるまでは、「このウイルスと共存する方法を学ぶ必要がある」と述べた。

議会はフィリップ氏の提案を大多数の賛成で支持した。社会的距離の保持のため、約600人近くいる国会議員のうち、75人だけが議場入りを認められた。他の議員は議場周辺で投票した。

フィリップ氏は制限緩和を唱えると同時に、感染の第2波を避けるための慎重さも必要だと主張。1日あたりの新たな感染者が3000人を切らない場合は、来月11日からのロックダウン緩和はないとした。

フランスでは、この2週間の1日あたりの新規感染者の平均は2162人となっている。

フィリップ氏はまた、来月11日以降、1週間に70万件の新型ウイルス検査の実施を目指すと表明した。

さらに、可能な人は来月11日以降も在宅勤務を続けるよう呼びかけた。


従業員へのマスク支給を指示

フィリップ氏はマスク不足にも言及。来月11日以降は入手しやすくなると述べた。

また、すべての企業に対し従業員にマスクを支給するよう求めた。小規模な企業には、必要に応じて政府が支援するとした。

フランスでは郵便局のウェブサイトでもマスクが販売される。洗うことができるマスク500万枚を毎週、体が弱っている人への供給用に備蓄していく。

来月11日からは、公共交通機関の利用者はマスク着用が必要となる。同様の措置はすでにドイツが実施している

地域を「緑」と「赤」に分類

フィリップ氏は、新たな感染者数や地元病院への負担をもとに各地を「緑」と「赤」に分類し、ロックダウンの緩和を別々に進行させる方針も示した。

以下の全国的な制限は継続される。

  • 葬儀は参列者20人まで
  • 宗教的な儀式は6月2日まで禁止
  • 海水浴場、バー、映画館、レストランは閉鎖
  • サッカーのリーグ1とリーグ2は今季は再開しない

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(英語記事 France mandates masks for schools and transport