2020年05月01日 11:21 公開

韓国は30日、国内で新たに新型コロナウイルスに感染した人の数が、2月中旬以降で初めてゼロを記録したと発表した。

韓国ではこの日、新たな感染者が4人確認されたが、全員が外国からの渡航者だった。到着後すぐに隔離された。

この4人を加え、国内で確認された感染者は1万765人になった。

一時は新型ウイルスの世界的な大流行の現場となった韓国にとっては、大きな節目となった。同国は熱心な努力により、驚くべきことに、全面的なロックダウン(都市封鎖)をせずに「新たな感染者ゼロ」にこぎつけた。

文在寅(ムン・ジェイン)大統領は30日、「これが韓国とその国民の強さだ」と語った。

どうやって実現した?

韓国では大邱市で2月、新型ウイルスのクラスター(感染者集団)が宗教団体で確認され、感染者数が急増した。

この宗教団体、新天地イエス教証しの幕屋聖殿(新天地イエス教会)の1人から、何十人かに感染が広がったことが判明。のちに、何千人もの感染がこの教会に関係があったこともわかった。

これを受け、政府は大規模な検査キャンペーンを開始した。検査を受けやすくするため、ドライブスルー型の診療所を全国各地に開設した。


検査件数の増加により、感染者数も急増した。ただ、当局は誰が感染しているのかを早い段階で把握し、隔離して治療した。

韓国政府はまた、感染経路の追跡を積極的に進めた。確認済みの感染者と接触した人々を見つけ、隔離して検査した。

陽性と判定されると、その人の近くで暮らすか働いている人に、当局が通知した。国民はすぐに、そうしたメッセージが当局から続々と届くことに慣れた。


新天地イエス教会のクラスターと関連のある感染者は一時、感染者全体の半数近くを占めた。

当局が集会の規制に乗り出すなか、韓国のすべてのキリスト教会は閉鎖を命じられた。


現在、教会は再開されている。ただ礼拝者は距離を置き、マスクを着けるよう義務付けられている。

同様の規則は、学校の生徒にも適用されている。


一部の企業の食堂では、昼食はもはや社交の場ではなくなっている。従業員同士の接触を減らすため、昼休みの時間をいくつかずらして設定した企業もある。


社会的距離の保持は引き続き求められているが、すべてのレストランやカフェが厳格なルールに従うかはわからない。

国民の多くにとっては、生活は元通りに戻りつつあるようだ。通りに出て、うろつく人の姿が目立つ。ただ、イベントに参加したり建物の中に入ったりするときは、必ず体温を測定しなくてはならない。


韓国の新型ウイルスを抑え込む能力は、今月あった選挙で試された。

4月15日の総選挙では、何千人もの有権者が投票所の前に列をつくった。一人ひとり、ビニール手袋が渡され、間隔を置いて立つよう指示された。投票所に入る前には体温測定を受けた。

投票によって感染者が急増するとの恐れもあった。しかし2週間たったいま、そうならなかったことは明らかだ。選挙では与党が大勝し、今回の危機への対応を国民が支持していることをうかがわせた。


公共交通機関も比較的、感染スポットになることを免れている。

地下鉄の駅は、利用者が呼吸をしやすいようにと、細心の注意を払って清掃に励んでいる。消毒スプレーを使ったふき取り掃除も繰り返している。


韓国で極めて人気がある野球は現在も続いている。ただ無観客だ。

ファンは入場が認められず、審判は手袋をはめるよう指示されている。選手のハイタッチすらご法度となっている。


学校には子どもが戻った。といっても、バーチャルな方法でだ。教室は先生を除いて空っぽで、授業はオンラインで実施されている。

4月中旬に学校が再開されたとき、丁世均(チョン・セギュン)首相は、「私たちは新たな道を切り開いている」と述べた。

「リモート授業がうまく行くよう努力するが、究極的にはCOVID-19の流行が収束し、子どもたちが学校に戻れるように最善を尽くす」


韓国政府は、日常生活のさまざまな場面で厳しい措置を実施することで、感染の流行を抑え込んだ。

同国を訪れる人は全員、14日間の隔離を受けるため、新たな感染がもたらされる可能性は低い。

しかし、当局は気を緩めていない。韓国の疾病対策センターは、ワクチンができるまでは、パンデミック(世界的流行)が戻って来ることは避けられないと話している。


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(英語記事 How South Korean life changed to contain the virus