2020年05月02日 10:50 公開

北朝鮮国営の朝鮮中央通信(KCNA)は2日、金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長が1日に工場の竣工式に出席したと、写真付きで報じた。金氏の動静が伝えられるのは4月12日以来20日ぶりで、一部メディアからは健康悪化説が浮上していた。

KCNAによると、金委員長は平安南道にある肥料工場の落成式で自らテープカットを行い、工場内を見て回った。金氏が姿を見せると、工場関係者から激しい喝采が起こったという。

金氏は、同工場の生産システムに満足していると述べ、同国の化学工業と食品生産の発展に貢献しているとして関係者らを称賛したという。

KCNAによると、宣伝扇動部副部長を務める金氏の実妹の金与正(キム・ヨジョン)氏や、複数の高官が同行した。

金氏は4月12日、空軍訓練を視察する姿が国営メディアに報じられて以降、動静が途絶えていた。祖父の誕生行事という重要日程にも欠席したため、健康不安説が取りざたされていた。

金氏の消息についてアメリカのドナルド・トランプ大統領は同27日、「かなりの見当はついている」と記者団に話したが、「それを言うことはできない」と述べていた。

金委員長は過去にも消息不明に?

過去にも金氏の消息が分からなくなったことがある。2014年9月に音楽会に出席したあと、40日間にわたり動静が途絶えた。同10月中旬、金氏が杖をついて住宅を視察する姿が報じられた。

このとき、国営メディアは金氏がどこにいたのか明かさなかった。韓国の国家情報院は、金氏の左足首にできた嚢腫をとりのぞく手術が行われた可能性があるとしていた。

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健康悪化説はどこから?

金氏は4月15日、祖父の故・金日成(キム・イルソン)主席の誕生日を祝う行事に姿を見せなかった。北朝鮮においては、建国者の誕生を称える重要行事の1つだ。金氏は、この式典にこれまで欠かさず出席していた。

最初に金氏の健康悪化説が浮上したのは、北朝鮮の脱出者が運営するウェブサイト「デイリーNK」の報告がきっかけだった。

匿名の情報提供者はデイリーNKに、金氏が昨年8月から心血管疾患を患い、「白頭山を繰り返し訪れた後に悪化した」と聞いていると伝えた。

ここから国際メディアによる、1つだけの情報源に頼った一連の報道が始まった。その後、韓国とアメリカが、健康悪化説を注視しているとの続報も出た。

やがて米メディアは、金氏が心臓手術後、重体に陥ったと派手な見出しで報じた。

マイク・ポンペオ米国務長官は29日、金氏について、米当局者がこのところ「姿を目にしていない」とし、健康状態に関する報告を「注意深く」見ていると述べた。

しかし、韓国政府は声明で、中国情報当局はロイターの報道に答えて、それぞれこの報道を否定した。

(英語記事 Kim Jong-un appears in public, state media report