2020年05月02日 14:09 公開

カナダのジャスティン・トルドー首相は1日、殺傷能力の高い銃器約1500種について、販売や使用などを禁止すると発表し、即時発効した。同国では4月に銃乱射事件が起きており、銃規制強化を求める機運が高まっていた。

新規制では、約1500種の殺傷能力の高い銃器の販売や輸送、輸入や使用が禁止される。規制対象の銃器所有者には、銃器を廃棄できるよう2年間の猶予期間が設けられるという。

トルドー氏は、ほとんどの銃器所有者は法を順守する市民だとしながらも、軍用級の銃器を一般市民が所有する意味はなく、カナダ国内では何の役にも立たないと主張した。

「たった1つの目的のためだけに設計された武器だ。最短時間で最も多くの人を殺害するためだけに」と、トルドー氏は記者団に述べた。

「鹿1頭を仕留めるのに『AR-15』(半自動小銃)は必要ない」

トルドー氏はまた、対象銃器の買い戻しを可能とする法案を提出する方針だという。しかし、実現するには他政党からの支持が必要なだけでなく、数億ドルもの経費がかかる可能性が高い。

身元調査や拳銃の輸送規制を強化

トルドー氏は昨年10月の総選挙に先立ち、身元調査の要件を拡大し、拳銃の輸送規制を厳格化するなど、銃規制の強化を掲げていた。そして今年3月には銃器の販売や使用などを禁止する計画だとしていたが、新型コロナウイルスの感染拡大の影響で5月へとずれ込んだ。

現在、RCMPに登録している銃器所有者の数は8万人を超えている。

銃撃事件相次ぎ、規制強化の求め高まる

カナダではここ数年、複数の銃撃事件が発生しており、銃規制の強化を求める声が高まっていた。2017年には東部ケベックシティーのモスク(イスラム教礼拝所)で銃撃事件が、翌2018年には東部トロントでの連続発砲事件で2人が死亡した。

また直近では、東部ノヴァスコシア州で先月、男が複数の場所で発砲し、女性警察官を含む20人以上が死亡している。これは同国史上最悪の銃撃事件となった。

王立カナダ騎馬警察(RCMP)によると、この事件の銃撃犯は、銃所持の免許がないまま、自動小銃のようなものを所持していたという。RCMPは銃器の種類を明らかにしていないため、今回の銃規制の対象となるかは不明。

一方、今回の銃規制は政界で議論が割れている。グレン・モッツ下院議員(保守党)が昨年12月に始めた、銃規制に反対する請願書には17万5000人以上の署名が集っている。

保守党のアンドリュー・シーア党首は、同国内の凶悪犯罪で使用された武器の多くは合法的に入手されたものではないことから、トルドー氏は銃が国境を越えて入ってこないようにすることに注力したほうがいいと主張した。

カナダの新聞グローブ・アンド・メールは、複数の流出文書をもとに、買い戻し計画への参加は任意で、免許を取得している所有者については免除されると報じた。トルドー氏は以前、買い戻し計画は所有者全員を対象にするだろうとしていた。

トルドー氏は買い戻し計画について、任意になるのかどうかは言及しなかったが、他政党から支持され、すべての人に公平なものにならなければならないと述べた。

「次のステップについては、課題を解決する必要がある」

(英語記事 Canada announces ban on assault-style weapons