
2020年05月04日 11:24 公開
ロシアで新型コロナウイルス感染者の確認が急増している。3日には24時間あたり過去最多の1万633人の感染者が見つかったと発表した。
この日の増加でロシアの感染者数は、世界で7番目に多い13万4686人となった。同国の人口は約1億4000万人。
ただ、ロシアの新型ウイルス感染者の死亡率は、アメリカやイタリア、スペインなどの国々と比べると低いままだ。
3日に発表された新たな死者は58人で、同国の死者の総数は1280人となった。
ロシア国内で最も感染者が多いモスクワでは、医療制度がひっ迫している。
モスクワのセルゲイ・ソビャニン市長は2日、同市では新型ウイルスの流行のピークを越えていないとして、気を緩めないよう呼びかけた。
ソビャニン氏はまた、人口約1200万人のモスクワでは市民の約2%にあたる約25万人が新型ウイルス検査で陽性と判明していると述べた。
3日の発表では、モスクワの感染者は一気に5948人増え、6万8606人となった。
モスクワでは厳しいロックダウン(都市封鎖)が実施されており、市民は特別な場合を除いて外出が禁じられている。
ウラジーミル・プーチン大統領は、ロシアの状況について「非常に深刻」なままだと説明。数週間内に「大流行の厳しい局面」を迎えるだろうとして、警戒を呼びかけている。
同国では先週、ミハイル・ミシュスチン首相が新型ウイルスの感染症COVID-19を発症していることが確認された。重要閣僚から患者が出たのは初めてだった。
今年1月に首相に任命されたミシュスチン氏は、3日時点で病院で治療を受けている。報道官によると、同氏は気分がよく、病院で職務をこなしているという。
今月1日には、ウラジーミル・ヤクシェフ建設住宅相がCOVID-19を発症していることが確認され、閣僚の患者は2人となった。
プーチン氏は「ピークは越えていない」として、全国的な休業期間を今月11日まで継続する方針を示した。
12日以降は、政府は地域の実情をみながら、制限を徐々に解除していくことを検討すると述べた。
地方でも感染拡大
BBCのサラ・レインズフォード・モスクワ特派員は、ロシアの感染者急増について、検査件数の増加によるものと当局は説明していると報告。
ただ、医療体制がモスクワと比べて格段に貧弱な地方でも感染が拡大しており、そうした地方では医療関係者から、マスクや防護服が手に入らないとの苦情が出ていると伝えた。
また、モスクワでも毎日1700人ほどが新たに入院しており、医療制度のひっ迫度を増しているとした。
プーチン氏はロシアにおける医療用防護具の不足を認めている。
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