2020年05月09日 10:59 公開

イタリアで8日、新型コロナウイルスによる感染症(COVID-19)の死者が欧州連合(EU)加盟国で初めて3万人を突破した。

イタリアではこの日、新たに243人の死亡が確認され、死者数は計3万201人に達した。1日あたりの死者数としては、前日7日の274人よりも減少した。

1日に確認された新規感染者数は1327人と、わずかに減少。感染者数は計21万7185人となった。

移動制限は緩和され始めているが、ある医師はミラノの状況について時限「爆弾」だと述べたと、地元メディアが報じている。

米ジョンズ・ホプキンス大学の集計によると、日本時間9日午前の時点で、イタリアはアメリカ(7万7126人)、イギリス(3万1315人)に次いで世界で3番目に死者数が多い。

今年初めにEUから離脱したイギリスでは6日、死者が3万人を超えた。欧州で3番目に甚大な被害を受けているスペインでは、これまでに2万6000人以上が死亡している。

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イタリアは今年2月に北部地域で新型ウイルス感染者が確認され始めたことを受け、3月上旬に欧州諸国で最初に全国的なロックダウン(都市封鎖)を開始した。

このロックダウン措置は、部分的に緩和さあれている。他人と物理的距離を保つことや、それができない場合にはマスクを着用することを条件に、イタリア市民は4日、数週間ぶりに運動のために外出できるようになった。また、居住地域内で親族に会うことも可能となったが、友人との面会は認められていない。

カトリック教会も5月18日のミサの再開に向けて準備を進めているが、厳格な社会的距離戦略の実施や、礼拝者のマスク着用が義務づけられることとなる。ほかの宗教の礼拝についても実施が認められる。

一方で学校や映画館、ほとんどの店舗の閉鎖は続く。また、すべての集会は今後も禁止される。バーやレストラン内での飲食は6月から可能になる予定。

一部制限の実施が続く中、人通りの多いエリアで社会的距離を無視し、マスクを着けていない大勢の姿をとらえた複数の画像がソーシャルメディアでシェアされ、感染予防を怠る人への批判の声が上がっている。

ミラノ市内にあるサッコ病院感染症科の責任者マッシモ・ガッリ氏は、現地紙ラ・レプブリカに対し、「非常に多くの感染者が社会活動に戻っている」として、ロックダウンの緩和が「問題を引き起こす可能性がある」のは明らかだと述べた。

イタリア市民保護局のアンジェロ・ボレッリ長官は、再び新型ウイルスの感染拡大の兆候が現れれば、感染封じ込め措置は「強化される」と市民に警告した。

ボレッリ氏は7日、「我々は注意深く状況を監視している」と述べた。

首都ローマの警察は、今週末に沿岸部や湖、地方の観光スポットへ至る道に検問所を設置するという。また、ナイトライフで人気のエリアについても監視する方針。

ソーシャルメディアでは、ミラノ市内の人気エリア、ナヴィリ地区でマスクをつけなかったり社会的距離を保たない状態で大勢(そのほとんどは若者)が集っている動画が確認されている。

ジャーナリストのアントネッロ・ゲレーラ氏は、「ロックダウン緩和からわずか3日後の、今日のミラノ市内のアペリティーヴォ・タイム(夕食前に軽食やドリンクを楽しむ時間帯)の様子(ナヴィリ地区)」とツイートした。

https://twitter.com/antoguerrera/status/1258487223005188100


ミラノ市のジュゼッペ・サラ市長は8日、大勢が集っている状況は「恥ずべきこと」だとして、「最後通告」を突きつけた。

「私は手を打つ。ナヴィリ地区の閉鎖も辞さない」

ミラノは、イタリアでのアウトブレイク(大流行)の中心となっているロンバルディア州の州都。

イタリアの政府機関は、資金不足状態の観光産業は、ロックダウンが緩和される中、マフィア組織からの攻撃を受けやすい状態にあると警告している。

COVID-19に関連した犯罪侵入監視機関による報告書は、観光業とケータリング分野は「高利貸しの被害につながりかねない資金流動性の欠如」に見舞われる可能性があるとしている。

この報告書によると、マフィア組織は資金洗浄のために、ホテルやレストランなどの経済的に厳しい状況にある事業に投資しようとしている可能性があるという。

(英語記事 Italian death toll tops 30,000, highest in EU