
2020年05月14日 10:47 公開
世界保健機関(WHO)の健康危機担当マイケル・ライアン氏は13日、新型コロナウイルスが「消滅しない可能性がある」と警告した。
ライアン氏はこの日、スイス・ジュネーヴのWHO本部からオンラインでブリーフィングに臨み、新型ウイルスがいつ消えてなくなるかを予測する試みに対し、警鐘を鳴らした。
また、ワクチンが見つかったとしても、新型ウイルスの抑制には「多大な努力」が必要だと付け加えた。
米ジョンズ・ホプキンス大学の集計によると、日本時間14日午前時点で、世界全体の感染者は434万2000人を超え、死者は29万6000人以上に上っている。
ライアン氏は、「このウイルスがほかのエンデミック(一定の地域で一定の罹患率で発生する)ウイルスのようになる可能性や、決して消えることはない可能性を議論の対象にするのが重要だ」と述べた。
「(エイズ、後天性免疫不全症候群病原体の)HIV(ヒト免疫不全ウイルス)は消滅していないが、我々はなんとか折り合いをつけてきている」
ライアン氏は、「この病気がいつ消滅するかは誰にも予測できない」と考えていると述べた。
現在、新型ウイルスに効果があるかもしれないワクチン100種類以上の開発が、世界中で進められている。しかし、はしかなどのほかの病気はワクチンがあるにもかかわらず今も撲滅されていないと、ライアン氏は指摘した。
WHOのテドロス・アダノム・ゲブレイエスス事務局長は、努力次第で新型ウイルスを制御することはまだ可能だと強調した。
「どうなるかは我々の手にかかっている。これはすべての人に関係のあることだ。このパンデミック(世界的流行)を止めるために我々全員が取り組むべきだ」
WHOの疫学者、マリア・ヴァン・カーコヴ氏もまた、「我々には、このパンデミックから抜け出すには時間がかかるだろうという見方を持つ必要がある」と述べた。
一部の国がロックダウン(都市封鎖)措置を徐々に緩和し始め、各国首脳がいつどのように経済を再開させるのかという問題を検討する中、WHOは厳しい見解を突きつけた。
テドロス事務局長は、感染の第2波を誘発することなく制限を緩和できると保証された方法はないと警告した。
「多くの国が様々な措置から抜け出したいと考えている」とテドロス氏は切り出した。「しかし、どの国においても、依然として可能な限り最大レベルの警戒をすべきだというのが、我々の助言だ」。
ライアン氏は、「ロックダウンが完璧に機能していて、ロックダウン解除も成功するだろうという呪術的思考が一部で上がっているが、いずれも危険をはらんでいる」と付け加えた。
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