2020年05月16日 20:11 公開

イタリア政府は16日、新型コロナウイルス対策の厳しい移動制限を6月3日から緩和し、出入国を解禁する政令に署名した。国内でも同日から、県から県への移動が認められる。ジュゼッペ・コンテ首相が政令に署名し、政府は16日朝にこれを公布した。

感染被害が特に甚大だったイタリアでは、3月10日から全国で厳しいロックダウン(都市封鎖)を実施していた。

イタリアでは22万4000人弱の感染が確認されている。新型ウイルスによる感染症「COVID-19」で亡くなった人数は、アメリカとイギリスに次いで世界3位の3万1600人超。しかしこの数日で、感染者数が大きく減少している。

3月27日の1日の死者数は900人を超えたが、今月15日は262人だったという。

イタリア政府は今月上旬、新型ウイルスで打撃を受けた事業や世帯への経済救済策として、550億ユーロ(約6兆3800億円)の景気刺激策を承認した。

2月に北部ロンバルディア州を中心に感染が拡大すると、イタリア政府は3月上旬に欧州で最初に行動制限を実施した。2カ月近くを経て、今月4日から工場や公園の再開を認めるなど、徐々に規制を緩和してきた。

一部の州はもっと素早い規制緩和を要求していたが、コンテ首相は感染の第2波を抑え込むため、段階的な制限解除を進めている。

商店や飲食店は、利用者同士の社会的距離を守ることを条件に、今月18日から営業再開が認められる。

キリスト教カトリック教会も日曜日の同日から教会での礼拝再開に向けて準備している。ただし、教会でも社会的距離の維持が厳しく求められ、参列者はマスクを着用しなくてはならない。他の信仰や宗派の宗教施設でも、礼拝や集会が認められている。

各国のその他の動き

  • 欧州ではポルトガル、スペイン、ギリシャなども日別の死者数減少を受けて、行動制限を緩和しつつある
  • 欧州最大のドイツ経済は1-3月に2.2%縮小し、景気後退に陥った
  • ブラジルでは4月17日に就任したばかりのネルソン・タイシ保健相が15日に辞任。経済再開など政府方針を巡りジャイル・ボルソナロ大統領と対立したのが原因という。ブラジル保健相の辞任は今月2人目
  • ドナルド・トランプ米大統領は、「ワクチンがあろうとなかろうと」米経済は再開すると表明。年末までにワクチンを一般で広く使用できるようにすると述べた
  • イギリス政府もロックダウンの段階的緩和策を発表したが、感染者1人が感染させる人数(実効再生産数)がじわじわと増えつつあり、感染が急速に拡大する段階に近づきつつあると警告している
  • 米ジョンズ・ホプキンス大学の集計によると、日本時間16日夜までに世界で456万人近くの感染が確認されている。死者は30万人以上だが、165万人近くが回復しているという。

(英語記事 Coronavirus: Italy to lift travel restrictions as lockdown eases