未知のコロナウイルスの恐怖に加え、マスクが高額転売されるニュースが騒がれていたような時期に、保護者による子供の安全を願う気持ちやマスク調達の苦労に思い至らずに、白色指定してしまう学校の無神経さには驚嘆する。

 だが、こういった対応が普通に起きるのが学校なのだ。

 マスク着用の登校は、再流行が懸念されているため、今後当たり前になりそうである。さらにはマスクの不足や値段の高騰が少しは落ち着いただろうと、「マスクは白色指定」という校則も復活するかもしれない。

 新型コロナウイルスの感染拡大の状況次第で、マスクの調達が困難になり得るし、白色は本来汚れがかなり目立つため、使い回すことが難しいといったようなことも起きるだろう。

 結果として、着用マスクのことで悩む子供や保護者も現れると思うが、こうした子供や保護者の声は存外学校には届かない。だからこそ、そうした情報を早期に教育委員会なり文部科学省が吸い上げ、随時是正を図る必要がある。

 継続的な情報の吸い上げと安全対応策の検討、場合によっては全国的な実施と徹底をかなりの速さで行っていくためには、学校現場にかなりの余力を残しておく方がいい。

 またマスクについては、さらに気になる報道がある。中国ではマスクをして運動していた子供の死亡事故が起き、運動中はマスクは使わないという話が出ている。私も外出時には医師に伝授された着用方法でしっかりとマスクをしているが、かなり息苦しい。階段をいつも通り登ると、思わず立ちくらむことがある。

 子供たちの中には、自ら気をつけることがまだできない既往症のある子もいる。学校内でマスクを常時着用するような新しい生活方法との組み合わせには、かなり気を使わなければならない。

 年中マスクをつけるだけでなく、エアコンをつけても換気のために窓を開けるため、熱中症の危険も増えそうだ。
分散登校で学校を再開した鳥取県立鳥取湖陵高校=2020年5月7日、鳥取市
分散登校で学校を再開した鳥取県立鳥取湖陵高校=2020年5月7日、鳥取市
 マスクの色指定がそうだったように、過去の例がどうだとか言っている場合ではなく、学校の運営状況は現状に合わせて次々に変更する必要がある。学校ごとの自主判断に任せると、現場の判断は不合理極まるものが出るだろう。

 マスクだけでもこのような問題が起きる以上、他のポイントでも素早く、かつ全国的に変更できるだけの余力をむしろ生み出す必要がある。ゆえに、そこへ秋季入学の話を加えることは、この余力を奪うことになりかねない。