2020年05月21日 12:06 公開

世界保健機関(WHO)のテドロス・アダノム・ゲブレイエスス事務局長は20日、新型コロナウイルスのパンデミック(世界的流行)は終息には程遠く、1日当たりの感染者数はこれまでで最多となっていると警告した。

この日は24時間で10万6000人の感染が新たに確認された。

テドロス事務局長は、低・中所得国での感染拡大に特に懸念を表明した。

米ジョンズ・ホプキンス大学の集計によると、世界全体での感染者数は500万人に近づきつつある。400万人を超えてから2週間足らずで超える見込みだ。

しかし専門家からは、人口に対する検査率が低い国がデータをゆがめているため、実際の感染者数ははるかに多い可能性があると警戒している。

これまでに全世界で32万6000人がCOVID-19で亡くなった。

最も被害が大きいのはアメリカで、感染者は150万人超、死者は9万2000人以上に上っている。

<関連記事>

テドロス事務局長は20日の記者会見で、「過去24時間で10万6000人の新たな感染例がWHOに報告された。アウトブレイクが始まってから最大だ」と話した。

「このうち3分の2近くがたった4カ国から報告されている」

テドロス氏はさらに、「パンデミックはまだまだ続くだろう」と警告した。

アメリカを含む多くの国々は、ロックダウン(都市封鎖)を緩和しはじめている。

抗マラリア薬の使用に警告

WHOの緊急対応ディレクターを務めるマイク・ライアン医師はこの会見で、COVID-19に関連して抗マラリア薬ヒドロキシクロロキンやクロロキンを使用することに反対した。

ドナルド・トランプ米大統領は18日、ヒドロキシクロロキンを予防薬として飲んでいると発言。COVID-19への効果はまだ未確認で、医薬品当局は副作用があり得ると警告している。

ライアン氏は、「現段階ではヒドロキシクロロキンもクロロキンもCOVID-19の治療や予防に効果があるか確認されていない」と強調した。

「実際のところは正反対で、多くの保健当局がこの薬の副作用について警告を発している」

こうした懸念の中、ブラジル保健省は20日にこの2つの薬について新型ウイルスへの使用拡大を認める新しいガイドラインを発表した。

ブラジルではここ数週間で保健相が2回代わっている。前任者とその前の保健相はともに、ジャイル・ボルソナロ大統領と新型ウイルス対策で衝突した。

同国の感染者数は27万人を超えており、世界で3番目に多い。20日には新たに2万人の感染が報告された。

専門家はブラジルについて、感染のピークは数週間後になるだろうと警告。特に貧困地域や先住民コミュニティーなどで急速に感染が広がっていることに懸念を示している。

その他の国々の状況は以下の通り。

  • ボリヴィアでは、価格が高騰したCOVID-19患者用の人工呼吸器の購入をめぐる汚職疑惑で、保健相が拘束された
  • 大型のサイクロンが直撃したバングラデシュとインド東部では、新型ウイルスの流行を受けた移動の制限などで避難・救助活動が難航している
  • スウェーデンは、一部の介護施設で患者に十分な酸素供給を行っていない恐れがあるとして、調査を行うと発表した
  • ギリシャ政府は6月にも観光シーズンに向けた活動を再開させたいとの意向を示した
  • スペインでは21日から、他者と距離を取るのが難しい場所でのマスクの着用が義務付けられる

新型コロナウイルス特集

感染対策

在宅勤務・隔離生活

(英語記事 World sees highest daily increase in virus cases