
2020年05月25日 14:28 公開
アフガニスタンのアシュラフ・ガニ大統領は、反政府武装勢力タリバンが停戦を表明したことを受け、タリバン戦闘員の捕虜を最大2000人解放すると発表した。
タリバンは23日、ラマダン(断食月)明けの祝祭「イード・アルフィトル」が始まる24日から3日間を停戦とすることで、アフガニスタン政府と合意した。
現在のところ双方とも停戦を守っている。
<関連記事>
ガニ氏は捕虜の解放について、「和平協議の成功を確実にする」ための「善意の印」だと述べた。
また、政府は和平協議を進める用意があるとした。
大統領府の報道官はツイッターで、「ガニ大統領は今日、最大2000人のタリバン捕虜の解放手続きを始めた(中略)タリバンの停戦の表明を受けたものだ」と述べた。
和平協議の障害に
政府とタリバンの和平協議では、タリバン捕虜の問題が障害となってきた。
4月に行われた歴史的な会談も、捕虜交換をめぐって折り合いがつかずに決裂した。
アメリカとタリバンは2月、タリバン戦闘員数千人と親政府勢力約1000人の捕虜交換で合意。しかし、この合意にアフガニスタン政府は関わっていなかった。
アフガニスタンでは、2001年の米同時多発攻撃の直後、アメリカ主導の軍事部隊がアフガニスタンに侵攻。タリバンを政権から追放した。
その後19年にわたり争いが続いている。
ドナルド・トランプ米大統領は今年2月の合意を受け、5月までに米兵5000人を撤退させると発表。また、タリバンの指導者と会談すると述べた。
また、タリバン側の合意履行を条件に、米軍と北大西洋条約機構(NATO)の同盟国が14カ月以内に完全撤退するとした。
その一方でアメリカは、現在も戦争状態にあるアフガニスタン政府とタリバンの間の協議の第1段階として、捕虜交換に合意していた。