2020年05月30日 10:48 公開

アメリカのドナルド・トランプ大統領は29日、世界保健機関(WHO)との関係を打ち切ると表明した。新型コロナウイルスの世界的流行への対応をめぐり、トランプ氏はかねてからWHOが、中国の責任を不問にしていると非難していた。

トランプ大統領は「中国がWHOを完全に支配している」とし、アメリカは今後、ほかの公衆衛生関連機関に拠出を行うと述べた。

アメリカはWHOにとって最大の拠出国。昨年はWHOの年間予算の15%弱に当たる4億ドル(約430億円)以上を拠出している。

トランプ氏の主張

ホワイトハウスのローズ・ガーデンで記者会見したトランプ氏は、「我々は今日、WHOとの関係を打ち切り、アメリカの拠出を」別の公衆衛生の慈善団体へ「まわすだろう」と述べた。

「世界は今、中国政府の不正行為がもたらした結果に苦しんでいる」

さらに、中国が「10万人以上ものアメリカ人の命を奪うパンデミックを引き起こした」と付け加えた。

トランプ氏は中国が新型ウイルスについて「世界を欺く」ためにWHOに圧力をかけたと非難した。

今年11月の大統領選で再選を狙うトランプ氏は、パンデミック(世界的流行)への対応を批判されてきた。一方のトランプ氏は、中国が流行の初期段階で事実を公表せず隠蔽(いんぺい)していたと非難している。

米ジョンズ・ホプキンス大学の集計によると、日本時間30日午前時点のアメリカの死者数は10万2798人で、世界最多となっている。

これまでに何が

WHOの新型ウイルスへの対応をめぐっては、トランプ氏が先月から批判を繰り返している。

先月14日、トランプ氏はWHOが「基本的な義務を果たさなかった」として拠出を停止すると発言。今月18日には、WHOのテドロス・アダノム・ゲブレイエスス事務局長に書簡を送り、テドロス氏とWHOが「繰り返し間違った判断した」せいで「世界中に大きな負担がかかった」と主張した。

その後トランプ氏は、WHOを「中国の操り人形」と呼んだ。

一方で中国は、アメリカ国内でのアウトブレイク(大流行)の責任は「嘘をつく」米議員たちにあると非難している。

中国外務省の趙立堅報道官は先に、トランプ氏は市民を誤解させ、中国を中傷し、「自分たちの無能な対応への非難を転換」していると述べた。

WHO加盟国は19日、WHOの新型ウイルス対応について、独立した検証委員会を設置することで合意した。

(英語記事 Trump terminates US relationship with WHO