2020年06月01日 12:03 公開

歴史的建造物などを布やプラスチックで覆うアートで有名だった、ブルガリア出身の現代美術家クリストさんが5月31日、ニューヨークで亡くなった。84歳だった。

クリストさんのフェイスブックページによると、死因は自然死だという。

クリストさんは、妻のジャンヌ=クロードさん(故人)と共に美術活動を展開。ドイツの国会議事堂や、パリのセーヌ川にかかる橋「ポンヌフ」などを布で覆った作品が有名だ。

フェイスブックページの声明は、クリストさんの作品が「多くの人を結びつけた」と紹介した。

また、「クリストはその充実した人生で、不可能なことを思いつくだけでなく、実現させてきた」と述べ、2人の作品は「私たちの心や記憶の中で生き続ける」としている。

2016年に発表した「The Floating Piers」では、イタリアのイゼオ湖でポリエチレンのキューブの上に10万平方メートルの黄色い布を敷き詰め、水面を歩けるようにした。

また、2018年にはロンドンのハイドパークの湖で、7500個以上のたるをつなぎ合わせて作った台形の造形物を浮かばせた「ロンドンマスタバ」を発表した。

クリスト・ヴラディミロフ・ジャヴァチェフさんは1935年にブルガリアのガブロヴォで生まれた。

オーストリアとスイスで過ごした後にフランスに移住し、パリでジャンヌ=クロード・ドゥナ・ドゥ・ギュボンさんと出会った。

2人は大規模な歴史的建造物の模様替えだけでなく、自然の風景の中で環境にやさしい作品を制作した。

ジャンヌ=クロードさんは2009年に74歳で亡くなっている。

クリストさんはパリで「L'Arc de Triomphe, Wrapped(包装された凱旋門)」を構想中だった。この作品はクリストさんの遺志により、2021年9月に発表される予定だという。

クリストさんは生前、ジャンヌ=クロードさんとの作品について、「場所を借りて、数日の間だけ穏やかな騒ぎを起こす」と説明していた。

フェイスブックページの声明は、「1958年の手紙でクリストは『美と科学、芸術は常に勝つ』と書いている。きょうはこの言葉をかみ締めたい」と結んでいる。

(英語記事 Christo, artist who wrapped landmarks, dies at 84