2020年06月05日 12:37 公開

米ミネソタ州ミネアポリスで警察官に拘束されて死亡した、黒人男性ジョージ・フロイドさんの追悼式典が4日、同市で開かれた。フロイドさんの弁護士は「人種差別のパンデミック(全国的な流行)」が死につながったと訴えた。

式典はミネアポリス中心部のノース・セントラル大学で催され、数百人が参加。フロイドさんが警官によって地面に押さえつけられた時間と同じとされる8分46秒にわたって、黙とうを続けた。

フロイドさんの弁護士ベンジャミン・クランプ氏は、「ジョージ・フロイドを殺したのは新型コロナウイルスのパンデミックではない。もう1つのパンデミックだ。人種差別と差別全般のパンデミックだ」と演説した。

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フロイドさんの兄弟の1人、フィロナス・フロイドさんは、子ども時代は貧困家庭だったため、兄弟は浴槽で衣類の洗濯をし、オーブンで乾燥させていたことを紹介。

そして、「ものすごく驚いている。きょうだいに会いにこれだけの人が来てくれた。これほどの人の心を揺さぶったのはすごいことだ」と続けた。


一方、公民権活動家のアル・シャープトン師は、責任の追及を求めた。

フロイドさんの死をきっかけに全米各地で抗議行動が起きていることに触れ、「私たちは止まらない」と宣言。「司法制度全体を変えるまで行動を続ける」と述べた。

さらに、「フロイドさんに起きたことはこの国で日々起きている。教育の場で、医療の場で、アメリカ生活のすべての場で。ジョージの名のもとに立ち上がり、首に置いた膝をどけろと言う時だ」と訴えた。


式典にはフロイドさんの遺族のほか、人権活動家ジェシー・ジャクソン師、ティム・ウォルツ・ミネソタ州知事、エイミー・クロブシャー上院議員(同州選出)、ジェイコブ・フレイ・ミネアポリス市長らが参加した。

6日にはフロイドさんが生まれたノースカロライナ州で、8日にはフロイドさんの地元テキサス州ヒューストンで、追悼式典が予定されている。

元警官3人が出廷

追悼式典の会場に程近い裁判所には4日、フロイドさんに対する殺人ほう助罪で起訴された元警官3人が初出廷した。


保釈金は100万ドル(約1億900万円)に設定された。裁判官は、被告らが所持する銃を提出するなどの条件を満たす場合は75万ドルに引き下げると述べた。

息ができないと訴えるフロイドさんの首に膝を押し付け続けた様子が撮影された、元警官のデレク・チョーヴィン被告は、第2級殺人罪で起訴されており、8日に出廷が予定されている。

オバマ氏がメッセージ

全米各地で起きている抗議行動は大部分が平和的だが、一部で暴力的になり暴動となっている。多くの都市が夜間外出禁止令を発令している。


そうしたなか、バラク・オバマ前大統領は3日、ビデオ会議で事件や抗議行動についてコメントした。抗議デモはこれまでの人生で見たことがないほど重大なものだとし、社会が抱える問題に対処する機会を生かすよう、米国民に呼びかけた。

オバマ氏は、「あまりに多くの場合、暴力の一部はあなた方のために働き、あなた方を守るはずだった者によるものだ」、「あなた方の命や、あなた方の夢は大切なんだと知ってほしい」と述べた。

イギリス王室サセックス公爵夫人メガン・マークル妃も個人的なメッセージを公表。フロイドさんの人生は大事なものであり、このところの出来事に衝撃を受けたとした。


フロイドさん暴行死事件の時系列

(英語記事 'Pandemic of racism' led to George Floyd death