2020年06月06日 11:13 公開

世界保健機関(WHO)は5日、新型コロナウイルスをめぐるマスク着用の指針を変更し、公共の場での着用を推奨すると発表した。マスクで「感染力があるかもしれない飛沫を遮断」できると示す、新たな研究結果を踏まえた対応だとしている。

「各国政府に対し、一般市民のマスク着用を奨励するよう助言する」と、WHOの疫学者でCOVID-19(新型ウイルスの感染症)対応を率いるマリア・ファン・ケルクホーフェ博士は述べた。

この新指針は、ここ数週間の複数の研究に後押しされたものだという。

ケルクホーフェ博士は新指針について、一般市民に「医療用マスクではなく、布製のマスク」の着用を推奨するものだとロイター通信に述べた。

医療用マスクについてWHOは一貫して、病人とその世話をする人のみが着用すべきだと助言してきた。

WHOはまた、マスクは感染リスクを減らす道具のひとつにすぎず、マスクさえしていれば大丈夫だといたずらに安心してはならないと強調した。

「マスクだけではCOVID-19から身を守ることはできない」と、WHOのテドロス・アダノム・ゲブレイエスス事務局長は述べた。

一部の国ではすでに、公共の場で顔を覆うことが推奨あるいは義務付けられている。

WHOは以前、健康な人がマスクを着用すべきだと判断するには十分な証拠はないと主張していた。

米ジョンズ・ホプキンス大学の集計によると、世界の新型ウイルス感染者はこれまでに39万4018人に上っており、672万4516人が死亡している(日本時間6日午前時点)。

世界各地の最新状況は

イギリスでは、多くの事業が再開し、多くの子供たちが学校に戻りつつある。

英政府は5日、病院の訪問者や外来患者のフェイスカバーなどの着用を6月15日から義務付けると発表した。病院関係者は臨床現場にいない場合でも、医療用マスクを着用しなければならない。

イギリスの新型ウイルスによる死者数は5日に4万人を超え、アメリカに次いで2番目の多さとなった。

ブラジルでは3万4000人以上が死亡し、イタリアの死者数(3万3700人以上)を超えた。イギリスに次いで3番目に死者数が多い。

欧州委員会の内務担当委員は、6月末までに加盟国の国境を開放すべきだとしている。

ポルトガルは6日に海水浴場の開放を始める方針。

ポーランドではジムやプール、遊園地などが再開される。


<解説>大きな指針転換――デイヴィッド・シュクマン科学担当編集長

新型ウイルス予防のため、一般市民はどういう時に顔を覆うべきなのか。これについて、WHOが指針を大転換させた。

WHOの専門家たちは数カ月もの間、マスクはいたずらに安心感を与えるほか、医療現場で必須の防護具を医療従事者から奪うことになるという立場を固持してきた。

こうした言い分がなくなったわけではないものの、WHOは同時に、感染リスクについて新たな証拠が得られたことも認めた。

WHOの方針転換は、新型ウイルス感染者は発症の数日前から強い感染力を示すことがあるほか、一部の人は未発症で終わるという最近研究を受けたものだ。この内容は、私が先週末に報じた

そのため、公共交通機関や店舗、難民キャンプなどの他人と距離を保つのが難しい場所では、人にうつさないために手作りのマスクで顔を覆うことが推奨されている。

WHOによると、基礎疾患がある60代以上の人の場合は、手作りではなく医療用マスクを着用するなど、より徹底した感染対策が必要だという。


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(英語記事 Wear masks in public, WHO says in new advice