2020年06月08日 16:47 公開

ブラジル政府は6日、新型コロナウイルスの感染者や死者の統計データを公式ウェブサイトから削除した。保健省は今後、過去24時間に報告された感染者と死者を報告するだけで、他国が提供しているような累計データは提供しないとしている。

ジャイル・ボルソナロ大統領は、累計データは現在の状況を反映していないと話している。

ブラジルの感染者の数はアメリカに次いで世界で2番目に多い。また最近では、毎日の死者数が世界で最も多くなっている。

これまでに64万人以上の感染が報告されているが、検査が不十分なため、実際の数はもっと多いとみられている。死者数は3万5000人以上と、アメリカとイギリスに次ぐ世界3位。

右派のボルソナロ大統領は、世界保健機関(WHO)が推奨するロックダウン(都市封鎖)施策を拒否するなどしてきたため、その新型ウイルス対策は内外の批判にさらされている。5日にはWHOのことを「党派的な政治的組織」と批判し、脱退を示唆した。

ボルソナロ氏は他人と距離を取る施策も無視しており、地方自治体が独自に導入した移動制限などに抗議するデモに繰り返し参加している。

ブラジル当局の説明は?

ブラジル保健省は6日、公式ウェブサイトから全国と各州のCOVID-19のデータを削除した。

その代わり、過去24時間の新規感染者数は2万7075人、死者は904人という数字だけを掲載した。また、1万209人が回復したことも発表した。

ボルソナロ大統領はツイッターで、「累計データは(中略)この区に現在の状況を反映していない」と説明したが、なぜ情報が削除されたのか、もう発表できないのかは説明しなかった。一方で、「感染者数の報告を改善するため」の施策を講じるとしている。

保健省の措置は、国内のジャーナリストや国会議員などから強く批判されている。データが削除された時点で、ブラジルでは1日当たりの死者が4日連続で1000人を超えていた。

ボルソナロ氏はかねて新型ウイルスの脅威はたいしたことがないという姿勢で、当初は「ちょっとしたインフルエンザ」のようなものだと述べていた。アウトブレイクが始まってからは、大統領の方針に反発して保健相が2人、辞任している

地方当局によるロックダウンについては、経済を破壊するとして解除を求めている。さらに、政府の方針に逆らって厳しい制限を課している州知事は、政治的な利益をあげるためにそうしているのだと批判している。

(英語記事 Brazil removes virus data amid rising death toll