2020年06月09日 14:05 公開

北朝鮮は9日、韓国の首脳とのホットラインを含む、南北間のすべての通信線を同日正午から遮断すると発表した。

北朝鮮国営の朝鮮中央通信(KCNA)はこの日、北朝鮮は「南北共同連絡事務所を通じて維持されてきた南北当局間の連絡線」を「2020年6月9月正午から(中略)完全に遮断し、廃棄する」と報じた。

軍事通信線も遮断するとしている。

韓国の脱北者団体は北朝鮮に向けて北朝鮮の体制を批判するビラを風船で飛ばす活動をしており、北朝鮮はこれに強く反発している。

北朝鮮は韓国を「敵」と表現し、通信線遮断は韓国への対抗措置の第1弾だと説明した。

「韓国当局者はわれわれを失望させるばかりであり、彼らと対座する必要はなく、彼らと話し合う問題はないという結論に至った」とKCNAは伝えた。

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南北軍事境界線沿いの開城にある南北共同連絡事務所は、業務開始と終了の通話を毎日午前9時と午後5時に行っている。

しかし、韓国は8日午前に北朝鮮側が通話に応じなかったと明らかにした。このような事態は過去1年9カ月間初めて。同日午後の通話には応答したという。

今年1月に新型コロナウイルスの感染症「COVID-19」防止策として連絡事務所が一時閉鎖になった際には、南北は電話で連絡を維持してきた。

南北は2018年の首脳会談後、緊張緩和を目的に連絡事務所を設置した。

朝鮮戦争は1953年の休戦協定をもって戦闘が終了したが、平和条約が交わされていないため、韓国と北朝鮮は法律上はまだ戦争状態にある。

連絡事務所閉鎖を警告

北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長の妹の金与正(キム・ヨジョン)氏は先週、韓国政府が脱北者団体による北朝鮮批判のビラの散布を止めなければ、連絡事務所を閉鎖すると警告した。

こうしたビラの散布は敵対行為であり、2018年の南北首脳会談での板門店宣言に反するものだと与正氏は主張した。

脱北者たちは時折、共産主義国の北朝鮮を批判するビラを風船にくくりつけて北朝鮮側へ飛ばしている。支援物資を付けて北朝鮮の人々に拾わせようとすることもある。

北朝鮮人は国が統制するメディアからしか情報を得られない。また、ほとんどの人はインターネットにアクセスできない。

北朝鮮の金委員長と韓国の文在寅(ムン・ジェイン)大統領は2018年4月、5月、9月と、計3度の首脳会談を行い、南北関係は改善されたようにみえた。南北首脳会談が開かれたのは2007年10月以来、実に10年半ぶりのことだった。

しかし2019年2月の米朝首脳会談で非核化交渉が決裂すると、北朝鮮は韓国との連絡を大幅に断ち切った。

(英語記事 North Korea halts all communications with South