2020年06月10日 12:52 公開

米ミネソタ州ミネアポリスで警察官に拘束され死亡したアフリカ系米国人ジョージ・フロイドさんの葬儀が9日あり、人種にもとづく不公正をなくすよう求める熱のこもった訴えが続いた。

フロイドさんが長年暮らしたテキサス州ヒューストンのファウンテン・オブ・プレイズ教会で開かれた葬儀には、政治家や有名芸能人らを含め約500人が参列した

人々は、「黒人として生まれたことが罪」などと述べ、フロイドさんの死を悼んだ。

葬儀の後、フロイドさんの棺は車列でヒューストン南部パーランドの墓地「ヒューストン・メモリアル・ガーデンズ」に運ばれ、母親の棺の隣に埋葬された。墓地までの最後の約1.5キロは、棺は馬車で移動した。


フロイドさんは先月25日、首を白人警官の膝で約9分間押さえつけられ死亡した。その様子は、近くにいた人が携帯電話で撮影していた。

現場にいた警官4人は免職となり、殺人罪や殺人ほう助罪などで訴追されている。

「法を変える必要がある」

葬儀では、フロイドさんの姪のブルック・ウィリアムズさんが、法律は黒人を不利にするようにつくられていると指摘。改められるべきだと訴えた。


「なぜ、この司法制度は腐敗し崩壊しているのでしょうか? 法は常にアフリカ系アメリカ人にとって機能しないように制定されてきました。こうした法は変える必要があります」

「ヘイトクライムはもうやめてください。ある人が『アメリカを再び偉大にする』と言いましたが、アメリカが偉大だったことなんてあったでしょうか?」

地元選出のアル・グリーン下院議員(民主党)は、「ジョージ・フロイドさんはかけがえのない存在だ。だから私たちはここに来た」、「彼の罪は黒人として生まれたことだった」と述べた。


長年、公民権活動に取り組んできたアル・シャープトン師は、「世界中で奴隷主の孫たちが、奴隷主の像を引きずり下ろしている」と説明。困難に見舞われたフロイドさんの人生について、「神は見捨てられた石を拾い、世界全体を変える運動の礎石とした」と述べた。

「お父さんは世界を変える」

11月の大統領選挙で民主党候補になるのが確実なジョー・バイデン前副大統領は、ビデオメッセージを寄せ、「ジョージ・フロイドさんに正義が訪れるとき、アメリカは人種間の公正さに向けて真に近づいていける」と述べた。


また、大統領選で対決するドナルド・トランプ大統領(共和党)について、先週末にフロイドさんに関する「軽蔑すべき」憶測を口にしたとして厳しく批判した。トランプ氏は5日、5月の雇用統計が改善していたと発表する際、フロイドさんが「見下ろしていて」「今日は素晴らしい日だと言っている」と述べた

ただバイデン氏も最近、トランプ氏への投票をちょっとでも考えたアフリカ系米国人は「黒人じゃない」と発言。黒人が自らに投票することを当然視しているとして批判された。

バイデン氏は葬儀前日の8日、フロイドさんの遺族と面会。その後、CBSテレビで、「彼の小さな娘もいて、『お父さんは世界を変える』と言っていた。私も彼女の父親は世界を変えると思う」と述べた。

さらに、「ここで起きたことは本当に、アメリカ史における大きな転換点の1つだと思う。市民的自由、公民権、そしてただ尊厳を持って人に接することにおいて」と話した。


一方、ミネソタ州では9日、ティム・ウォルツ知事が州民に対し、フロイドさんが地面に押さえつけられていた時間と同じ8分46秒間の黙とうをしてフロイドさんの葬儀に敬意を表すよう呼びかけた。


フロイドさん暴行死事件の時系列

(英語記事 Calls for racial justice at George Floyd's funeral