2020年06月12日 12:50 公開

新型コロナウイルスの流行拡大が経済復興にさらなる打撃を与えるとの懸念から、世界の金融市場が再び動揺を見せている。

12日の日経平均株価は大幅続落。前日比0.75%安の2万2305円でこの日の取引を終えた。香港ハンセン指数は0.7%、オーストラリアのS&P/ASX200種は1.9%それぞれ落ち込んだ。

こうした値下がりは、アメリカ市場の下げを受けたもの。アメリカの中央銀行に当たる連邦準備制度理事会(FRB)が10日、アメリカ経済の回復は長い道のりになると指摘したことで、11日に同国の主要金融指標が軒並み落ち込んだ。

中でもダウ平均株価は前日から6.9%下がり2万5128ドルで取引を終了。S&P500種は5.9%、ナスダック総合指数は5.2%それぞれ前日より下落していた。

株式市場は3月にも新型ウイルス流行を受けて急落しており、数週間をかけて徐々に回復していたところだった。特にエネルギーや旅行関係の株価が下がったほか、原油価格も落ち込んでいる。

欧州の市場でも11日、株価が急落。イギリスのFTSE100種は約4%、ドイツ株価指数(DAX)とユーロネクスト・パリのCAC40は共に4.4%、前日より下がった。

仏金融大手ソシエテ・ジェネラルで欧州株式ストラテジスト務めるローラン・カロヤン氏は、「政府や企業、市民も(新型ウイルス流行の)第2波に向け、第1波の時よりも対策をしている」と説明した。

「だが問題なのは、政府が注入できる資金には限界があることだ」

米経済は「ゆっくりとした回復」

新型ウイルスの感染拡大を抑えるために各国当局が敷いた規制が緩和され始めたことから、株価はこのところ、経済回復への期待で上昇を続けていた。

先週には、アメリカで5月の雇用が回復していたことが明らかになり、ナスダック総合指数が最高値を更新した。

しかし回復基調はなお不安定だ。アメリカの労働省は11日、先週新たに150万人が失業手当の申請を行ったと発表した。現在も3000万人以上が社会保障を受け取っている状況だという。

同国の金融幹部らは、失業率は年末まで、2008年の金融危機の時の水準に近い9%以上で推移するだろうと推測した。

FRBのジェローム・パウエル議長は記者会見で、感染率や入院率が悪化すれば、この推計も楽観的なものになってしまうと警告した。

地域的な流行が悪影響も

「全国的なパンデミックにならなくても、経済回復に打撃を与えるだろう。地域的な流行、地域的な感染者の急増、そうしたものが複数起こることで、旅行やレストラン利用、娯楽施設などへの信頼が損なわれる可能性がある」

アリゾナ州やサウスカロライナ州など、ロックダウン(都市封鎖)を解除し始めた一部の州ではすでに、ここ数日で感染者数が増加している。

スティーヴン・ムニューシン米財務長官は、アメリカ経済を数週間にわたって凍結させたロックダウンを再び行うのは避けたいと話している。しかしエコノミストからは、人々が感染を避けるために自主的に家にとどまる可能性があるとの警告も出ている。

(英語記事 Fears of second virus outbreak hit global shares