2020年06月13日 12:17 公開

英中銀イングランド銀行のアンドリュー・ベイリー総裁は11日、新型コロナウイルスの流行を受けて低迷するイギリス経済を支える「準備はできている」と発言した。

イギリスの国家統計局(ONS)は12日、4月の国内総生産(GDP)成長率が前月比20.4%のマイナスだったと発表。同国では3月末から新型コロナウイルス流行に伴うロックダウン(都市封鎖)が敷かれており、4月はその影響を大きく受けた。

これを受けてベイリー総裁は、「我々はまだこの(危機の)まっただ中にいる」と話した。

一方で、4月の数字はイングランド銀の予想と「ほぼ同じだった」と述べた。

「もちろんこれは劇的で大きな数字だが、驚くものではない」

ONSのジョナサン・エイソウ氏によると、「4月のGDPの落ち込みはイギリス史上最大となった。縮小幅は3月の3倍、COVID-19以前で最大の落ち込みと比べると10倍近かった」という。

「4月のイギリス経済は2月と比べて25%縮小していたことになる」

「この歴史的落ち込みの最大要因はパブや教育、医療といった分野や、自動車販売台数などだが、すべての分野が落ち込んだ」

一方で、ロックダウンの規制が5月から徐々に解除されていることから、最悪の事態は過ぎたと見るエコノミストもいる。

「経済回復の兆しも」

ベイリー総裁は、「経済が回復し始めた兆し」も見え始めていると述べた一方、パンデミックがによる長期的ダメージがどれほどのものなのかが大きな疑問として残っていると話した。

「私たちが特に集中しなければいけないのはこの分野だ。雇用が失われているのはこれが原因なのだから」

「長期的ダメージができるだけ小さいことを望んでいるが、一方で対策の準備をしなければならない。イングランド銀だけでなく長期的な悪影響を相殺するためにできるあらゆることに目を向ける必要がある。

イギリス政府は3月、従業員を雇い続ける事業主を対象に賃金の8割を政府が肩代わりする雇用維持制度を導入。現在、900万人がその対象となっているという。一方、4月に失業者向けの手当を申請した人の数は、3月から約85万6500人増えて210万人に上っている

政府の反応は?

ボリス・ジョンソン首相は、向こう数カ月は「厳しい」ものになると警告する一方で、「私たちは乗り越えられる」と話した。

「非常に深刻な公衆衛生の危機だというだけでなく、経済にとてつもない影響をもたらすのは、最初から承知していた」

「イギリスはサービス産業に大きく依存している。ダイナミックかつ創造的な経済で、人間同士の接触に多くを依存している。(新型ウイルスに)ひどい打撃を受けているはそのためだ」

リシ・スーナク財務相は、「経済活動を徐々に、安全に再開させる計画を進めている。少しずつ日常を取り戻しつつある中、来週にはこれまでより多くの繁華街の店舗が、営業を始められるだろう」と話した。

イングランドでは週明けから「不要不急の」店舗が営業を再開できる。北アイルランドではすでに制限が解除されている。スコットランドとウェールズも、独自のタイムテーブルでロックダウンの緩和を進めている。

これに対し、最大野党・労働党のアニリーズ・ドッズ影の財務相は、イギリス経済は他国よりも急速に縮小していると警告。

「早急にここから抜け出すための力強い取り組み」が必要だと訴えた。

(英語記事 Bank of England 'ready to act' as economy reels