2020年06月13日 12:58 公開

世界的に人気のキャラクター、ハローキティを生み出した日本のサンリオは12日、1960年の創業以来初の社長交代を発表した。

創業者の辻信太郎氏(92)は会長に就き、社長は孫の辻朋邦専務(31)に7月1日付で代わる。

ハローキティは頭にリボンをつけた、口のない白い猫のキャラクター。50年近く前に登場して以来、世界中で何十億ドルもの収益を生み出してきた。

はっきりした輪郭で描かれたハローキティの絵は洋服、おもちゃ、文房具など様々な商品に使われてきた。子ども向けのものとして登場し、今も子どもに特に人気だが、近年では大人の人気も高い。

新社長になる辻朋邦専務は、東証トピックス上場企業の中で最も若い社長になる。

AFP通信によると、新社長の誕生日はハローキティと同じ11月1日だが、ハローキティより14歳年下。

12日に会見した朋邦氏は、急速に変化するビジネス環境に対応しやすくなるよう会社を変革させていきたいと話した。

近年は苦戦が続くサンリオは、新型コロナウイルスの打撃を強く受けた。

12日に発表した2020年3月期決算によると、当期純利益は95.1%減。売上高も前期比6.5%減だった。

ハローキティ商品は130カ国で販売され、発泡性ワインからサンダルまで、商品の種類は多岐にわたる。

ハローキティをテーマにした遊園地やカフェのほか、昨年は日本の新幹線にも登場した。

日本で人気で世界にも広まった「kawaii(カワイイ)」という価値観を象徴する存在だが、公式設定ではイギリスのロンドン郊外生まれ。最初に作られた1970年代の日本では、イギリス文化がおしゃれなものとして人気だったからという。


<解説>転換点を迎えた会社――シリア・ハットン、アジア太平洋担当編集長

辻信太郎氏は1960年代に小物雑貨の販売を開始し、「かわいい」キャラクターをあしらった商品の人気に早くから気づいた。

そこからキャラクターグッズの開発に乗り出し、やがて日本を象徴するキャラクターのひとつにまでになったハローキティが生まれた。

しかし、ハローキティには競争相手がたくさんいる。国内売り上げは年々減り続け、苦戦する海外事業に依存する状態だ。

そのため、社長交代の決断は、サンリオにとって転換点となる。

日本の伝統では、創業者はできるだけ社長の座を家族の一員に譲ろうとする。信太郎氏の息子は2013年に急性心不全で亡くなった。孫の朋邦氏に交代するのは、そのためだ。

朋邦氏はすでに、会社を変革させて古い考え方を捨てると約束している。古い考えというのは、自分よりも年上のハローキティのことではないと期待したい。


(英語記事 Hello Kitty founder Shintaro Tsuji steps down as CEO aged 92