2020年06月14日 12:36 公開

黒人に対する警察の過剰暴力と人種差別に抗議するデモが、アメリカからフランスにも飛び火し、パリ中心部では13日、抗議に参加した人たちと機動隊が衝突した。

パリ中心部のレピュブリック(共和国)広場では、人種差別反対を訴える約1万5000人が集まった。無許可の行進を敢行しようとして警察に規制されたため、投石が始まり、機動隊は催涙ガスでこれに応酬した。

集会は許可されていたものの、行進は許可されていなかった。オペラ座地区への行進は、沿道の店舗や事業所への被害を懸念して禁止されていた。

パリのデモは、2016年にパリ郊外で黒人男性アダマ・トラオレさん(当時24)が逮捕され、警察車両の中で意識を失い、警察署で死亡した事件に抗議するもの。「アダマ・トラオレに正義を」と訴える抗議者たちは、「正義がなければ平和もない」などとシュプレヒコールを繰り返した。

トラオレさんの姉妹のアッサ・トラオレさんもデモに参加し、「社会的、人種的、警察暴力を非難しよう」と呼びかけた。「アメリカで起きていることはフランスでも起きている。兄弟たちが死んでいる」とも主張した。

フランス共和国を象徴するマリアンヌ像の台座に上り、彫像のひとつの口に「私たちは息ができない」と書かれた幕を垂らした人もいた。

「息ができない」という言葉は、各地のデモのきっかけになった黒人男性ジョージ・フロイドさんが、米ミネアポリスで5月末に警官に暴行され死亡する際に口にした言葉。2014年にニューヨークで警官に首を絞められた黒人男性エリック・ガーナーさんも、「息ができない」と訴えた後に死亡した。

地元紙ル・パリジャンによると、26人が警察の職務質問を受けた。抗議者たちは夕方までには散会した。

パリ以外でも、リヨンやマルセイユなど複数の都市で、小規模な抗議集会が開かれた。

フランス警察への抗議とは

フランスの警察監視団体によると、昨年は1500件近い警察に対する苦情を受理し、その半数は暴力被害を主張する内容だったという。

5月にはパリ近郊ボンディで、スクーターを盗もうとした疑いで拘束された14歳少年が、警察によって重傷を負ったとされる事件があった。

クリストフ・カスタネル内相は8日、警官が容疑者を羽交い絞めにして首を絞める逮捕術を禁止した。

内相はさらに、警察における人種差別は「一切容認しない」と公約し、人種差別が強く疑われる警官は休職させると述べた。

これには多くの警官や警察労組が強く反発し、自分たちの間に人種差別がはびこっている事実などないと主張。12日にはパリ中心部のシャンゼリゼに多くの警官が集まり、地面に手錠を投げつけて抗議した。

(英語記事 French police clash with anti-racism activists in Paris