2020年06月16日 13:33 公開

米食品医薬品局(FDA)は15日、抗マラリア薬「ヒドロキシクロロキン」について、新型コロナウイルスによる感染症「COVID-19」治療での緊急使用許可を撤回した。新型ウイルスに有効だと考えるのはもはや合理的ではないと、複数の臨床試験の結果から判断したという。

FDAは今年3月、重症患者へのヒドロキシクロロキンの緊急使用を許可していた。

ところがFDAは今月15日、ヒドロキシクロロキンには致命的な新型ウイルス感染症の治療への効果はなく、新型ウイルスにさらされた人の感染を防げなかったことが、複数の臨床試験で示されたと明らかにした。

新型ウイルス治療にヒドロキシクロロキンの使用を推奨していたドナルド・トランプ米大統領は、FDAの発表を受け、自分のこれまでの主張を擁護。過去に同薬を新型ウイルス予防のために服用したが、副作用はなかったと主張した。

「ヒドロキシクロロキンを服用したし、服用することで気分は良かった」と、トランプ氏は記者団に述べた。「良かったよ。2週間使って、私はここにいる。ほらね」。

74歳のトランプ氏は、ヒドロキシクロロキンで命が助かったと多くの人から聞いたと述べた。

トランプ氏は今年5月、マイク・ペンス米副大統領の側近らが新型ウイルスに感染した後、ヒドロキシクロロキンを服用していると明かした

この発言をめぐっては、抗マラリア薬のヒドロキシクロロキンやクロロキンの有効性や悪影響を及ぼす可能性についてオンライン上で憶測が広がり、科学界では議論が巻き起こった。

ヒドロキシクロロキンを服用した患者の死亡リスクが増大し、心拍異常が見つかったとする研究結果を、英医学誌ランセットが5月22日に掲載すると、WHOは各国で進められていた同薬の臨床試験を、安全性への懸念から一時的に中断した。

しかしその後、データに重大な欠点があるとして、執筆者らがこの研究結果を取り下げ、WHOは臨床試験を再開した。

(英語記事 US withdraws use of malaria drug for coronavirus