
2020年06月17日 13:38 公開
ふたをしないで水洗トイレを流すと、感染原因となる病原体を含むかもしれない飛沫(ひまつ)が約90センチ飛散するという研究が中国で発表された。
揚州大学の研究チームがコンピューター・モデルで実験したところ、ふたをしないまま水洗トイレを流すと、便器から飛沫が吹き上がり、その高さは床から最大91センチに達することが分かったという。新型コロナウイルスなど病原体を含む恐れのある飛沫が、顔に到達する場合もある。
ふたを閉じれば、これは防げるという。
研究論文は、流体力学の学術誌に掲載された。
新型コロナウイルスは、せきやくしゃみなどで空中に飛散する飛沫や、汚染された表面を介して伝染する。
保菌者の排泄(はいせつ)物にも、新型ウイルスが含まれている可能性がある。ただし、これが人から人への感染を媒介するかはまだ確認されていない。
不衛生なトイレが感染原因になり、糞口(ふんこう)経路と呼ばれる形で、排泄物から人の口腔に伝るウイルスはほかに存在する。
揚州大学の研究の筆頭著者、ワン・ジシャン氏をはじめとする研究チームによると、水洗トイレを流すことで便器に流れ込んだ水が便器の側面に当たり、それによって水流ができて飛沫が飛ぶ。この飛沫はきわめて小さく、1分以上は空中を浮遊するという。
英ブリストル大学のブライアン・ビズデク博士は、これによって新型ウイルスが広がるという明確な証拠はないものの、注意するに越したことはないと話す。
「論文の著者たちは、トイレを流す際にはできるだけふたを閉じて、便座をふいて清潔にし、他の接触面も頻繫にそうして、トイレを使った後は手を洗うよう提言している」
「こうした対応がSARS-CoV-2ウイルスの伝播(でんぱ)を減らすとは、論文は立証できていないが、多くのウイルスは糞口経路で伝播するため、そもそもこうした衛生手段は習慣にしておいた方がいい」