2020年06月19日 14:24 公開

米アメリカン航空は17日、マスクの着用を拒んだ男性乗客1人を旅客機から降ろした。同社は、新型コロナウイルスによる感染症「COVID-19」対策のため、乗客に顔を覆うことを義務付けている。

搭乗を拒否されたのは、ブランドン・ストラーカ氏。アメリカン航空によると、米ニューヨーク発テキサス州ダラス行きの1263便で、ストラーカ氏がマスクの着用を拒否したため旅客機から降りるよう求めたという。

ストラーカ氏は、機内で顔を覆うことを義務付ける法律は存在しないと主張した。

「私はマスクをつけていないという理由で飛行機から排除された。こんなことは初めてだ。連邦法なんかじゃないのに。アメリカン航空スタッフが立ちはだかって、これは法律だと言ってきた。『マスクをつけられない人たちのことを尊重してください』と。これは法律なんかじゃないと指摘したら、排除された」と、ニューヨークのラ・ガーディア空港からツイートした。

https://twitter.com/BrandonStraka/status/1273295136429084672


今後の搭乗禁止も

アメリカン航空は、「乗客が顔を覆うよう求められなくなる」までストラーカ氏の搭乗を禁止したと述べた。

マスク着用を義務付ける連邦法はない。しかしアメリカのすべての主要航空会社は新型ウイルスの感染拡大のリスクを軽減するため、5月中旬から乗客乗員に対して顔を覆うよう求める規則を導入している。

15日には、アメリカン航空は「乗客に対して顔を覆うよう求める、より強力な方針」を発表した。この方針では、顔を覆うのを拒否した乗客の搭乗を許可しないほか、今後の搭乗も禁止する可能性があるとしている。

マスク着用は「法律じゃない」

ストラーカ氏は、客室乗務員の1人が機内でのマスク着用は「法律だ」と主張し、「間違いを犯していた」と述べた。

「それは事実じゃないと指摘したら、『いいえ、事実です、事実です』って言ってきた。最終的に乗員たちは主張を変えたんだ。『これが私たちの方針です。従えないなら搭乗できません』って」

「私にマスクを着用できない健康上の理由があるのか、誰1人として聞いてこなかったと言ったら、スタッフ全員が私を取り囲んで威嚇してきた」

同じ便に搭乗していた米紙ニューヨーク・タイムズの記者は、言い争いの一部を携帯電話で撮影していた。

https://twitter.com/AsteadWesley/status/1273293191194836993


この動画では、ストラーカ氏が客室乗務員と言い争う声が確認できる。女性客室乗務員は、持病があるならそれを確認できる書類を持っているかと尋ねている。

激しいやりとりの後、別の女性が「マスクを着けるか、飛行機を降りてもらえますか?」と叫んでいるのがわかる。

アメリカン航空は、子どもや持病がある人、飲食する場合には例外的にマスクを外していいとしている。

マスクを着用しなくていい条件に見合う持病があるのかと米CNNに尋ねられると、ストラーカ氏はコメントを拒否。「マスクを着用するのは困難であり、やりすぎだ」と述べた。

「もはや選択肢すらない」

ストラーカ氏は元俳優のヘアスタイリストで、米フォックス・ニュースにゲスト出演したことがある。民主党への支持を否定するよう人々に促す運動「WalkAway Campaign」(立ち去ろうキャンペーン)を立ち上げた経歴の持ち主だ。

WalkAway Campaignのウェブサイトでは、20ドル(約2140円)のマスクなどの同キャンペーン商品が販売されている。

ストラーカ氏はツイッターに投稿した動画の中で、アメリカン航空のマスク着用方針は「全く正気とは思えない」とし、「私たちにはもはや選択肢すらない」と述べた。

(英語記事 US airline passenger removed for not wearing mask