2020年06月20日 10:10 公開

英演劇界の名優で、「ロード・オブ・ザ・リングス」のビルボ・バギンズなど数々の名演を残した俳優サー・イアン・ホルムが19日、亡くなった。88歳だった。

ホルムさんのエージェントが19日夜、「非常に悲しいことだが、俳優サー・イアン・ホルムが今朝、88歳で亡くなった」、「病院で、家族や介護担当者に囲まれて、穏やかに息を引き取った」と発表した。パーキンソン病に関連する症状が原因だったという。

米アカデミー賞作品賞などを受賞した「炎のランナー」(1981年)では、人種差別と戦いながら教え子とオリンピックを目指すコーチ役で、同賞の助演男優賞候補になった。

ホルムさんは、英演劇界で長く活躍し、数々の名演を残した。映画の出演作も多く、1979年の「エイリアン」をはじめ、近年では「ロード・オブ・ザ・リング」シリーズと「ホビット」で、ビルボ・バギンズを演じた。

ロンドンのナショナル・シアターは、1997年のシェイクスピア作「リア王」などで主演したホルムさんを、「稀有(けう)な俳優」と称え、「数々の素晴らしい思い出」をしのんだ。

父の俳優ティモシー・ウエストさんが同じ「リア王」の公演で共演した俳優サミュエル・ウエストさんはツイッターで、年長の出演者たちは全員ひげをはやすよう演出家に指示されたと、逸話を紹介した。

初の読み合わせで顔を合わせたとき、ひげだらけのキャストを前に、その当の演出家リチャード・エア氏が「庭のノーム(小鬼)の置物大会みたいだ」と口にしたという。

ホルムさんは1965年には、英戯曲家ハロルド・ピンターの「帰郷」初演に「レニー」役で出演し、8年後には映画版でも同じ役を演じた。

ただし、1976年のユージン・オニール作「氷屋来たる」に出演中、重度の舞台恐怖症となって以降は、主に映像作品に出演するようになった。

米アカデミー賞候補になった「炎のランナー」では、英アカデミー賞を受賞。1981年にはBBCラジオによる「ロード・オブ・ザ・リング」全編のラジオ劇で、フロド・バギンズを演じた。

2000年には米紙ロサンゼルス・タイムズのインタビューで、「自分の演技はいつも変わる。自分はいわゆる映画スターのタイプではないので、いつも同じような役を求められることもない」と話していた。

1989年には大英帝国勲章司令官(CBE)を叙勲され、1998年にはナイト爵位を与えられて「サー・イアン」となった。

(英語記事 Sir Ian Holm: Lord of the Rings and Alien star dies aged 88